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【NHKマイルC】タフな流れに強くキレある末脚を持つ 京大競馬研の本命はジャンタルマンタル

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【NHKマイルC】タフな流れに強くキレある末脚を持つ 京大競馬研の本命はジャンタルマンタル(C)SPAIA

速い上がりを使える、差し脚確かな馬を中心に

5月5日(日)にNHKマイルカップ(GⅠ)が行われる。今年は2歳王者ジャンタルマンタル、2歳マイル女王アスコリピチェーノに加え、“伝説の新馬戦”勝ち馬ボンドガール、その同馬を抑えサウジアラビアRCを制したゴンバデカーブース、ほかにも世代のマイル重賞勝ち馬が集結。どの馬が勝ってもおかしくない非常に難解な一戦となった。

以下では、本レースが行われる東京芝1600mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえ予想する。

まずは東京芝1600mのコース形態を見る。スタート地点は向正面直線の右奥で、初角までの距離は約540m。3コーナーにかけてはおおむね下り坂になっており、その後高低差2.1mのなだらかな上り坂を持つ約530mの最終直線が待ち構えている。

まず注目すべきは初角まで約540mという距離があること。これは東京芝コースの中で最も長い。スタートしてから序盤の隊列は定まりづらく、先手争いは長引きやすい。序盤のペースは流れ、コーナーにかけての中盤でペースが緩む。先行勢が再加速するまでの区間で後方勢が下り坂の惰性で進出できるため、最終直線に入るまでに前とのポジション差を縮めやすい。したがって、序盤から中盤で脚を温存しながら追走し、最後に速い上がりを使うことができる差し脚確かな馬が有利となっている。


これは数字からも明らかだ。NHKマイルCの直近10回において、上がり4位以内の馬の成績は【8-7-7-18】勝率20.0%、連対率37.5%、複勝率55.0%、単勝回収率229%、複勝率回収率416%と優秀だ。高い瞬発力を持つ馬を中心に印を打っていきたい。

続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位が3番手以内だった先行馬が5頭と、出走馬18頭に対して少なくはない。その他にもテンの速さがあって先行意識の高い馬はそれなりにいる。距離延長組もいることを考えれば、前述のコース形態と相まってこのコースが持つ差し有利な質を強める展開になるだろう。

ただこの場合、後方勢も序盤~中盤のペースをしっかり追走する必要があり、最後方から直線一気に差し切るという競馬は余程の地力がない限り厳しい。最も恵まれるのは中団からやや後方で序盤~中盤のタフなペースを追走し、直線で外に持ち出して末脚を伸ばせる馬だろう。馬群に揉まれることが想定される馬なら、近走で馬群を割った経験を重視したい。

皐月賞では最も強い競馬

◎ジャンタルマンタル
前走皐月賞は前半5F57.5秒というハイペースを3番手で先行し、0.1秒差3着と最も強い競馬だった。展開不利の中、直線で抜け出し残り100mまで先頭をキープしていたことを考えれば、やはり適性距離はマイル。また折り合いを欠いていたことも含めて1600mへの距離短縮は向く。

前々走の共同通信杯は超スローペースからの上がり勝負を、皐月賞馬ジャスティンミラノと同じ上がり2位の脚を使い0.2秒差2着と非常に高い瞬発力を見せた。今回のメンバーでも随一のタフな追走力とキレのある末脚を併せ持つ。中2週の厳しいローテにも思われたが調教の動きも良い。今回400mの距離短縮でやや後方寄りの位置取りが想定され、展開面では恵まれる。川田騎手がスムーズに追い出すことができれば勝ち負け必至だ。

◯アスコリピチェーノ
前走桜花賞は勝ち馬ステレンボッシュより終始1頭分外を回すロスがありながらも0.1秒差2着と評価を下げる内容ではなかった。前々走阪神JFはスムーズな競馬だったとは言え、斤量が従来より1キロ重くなったなかでレースレコード、ラスト4F歴代最速を記録する優秀な内容だった。1600mの走破時計を連続で短縮していることもかなり評価できる。中団から堅実に速い上がりが使える本馬に展開も向く。C.ルメール騎手への乗り替わりも確実にプラス材料で、引き続き好走が期待できる。

▲ゴンバデカーブース
前走サウジアラビアRCは4角最後方から上がり2位の馬に0.6秒差をつける最速の脚を使い、2着ボンドガールに0.3秒差の1着と1頭格の違う競馬だった。2、3着馬も次走重賞で好走しており、能力だけ見れば今回のメンバーでも上位だ。昨年の10月以来7か月ぶりのレースとなるが、前走のパフォーマンスも新馬戦から4か月ぶりのものと考えれば過度に嫌う必要はない。J.モレイラ騎手への乗り替わりもかなりプラス材料である。

△ディスペランツァ
前走のアーリントンCは前半3F35.8秒の前残り展開を4角8番手から差し切る、最も強い競馬だった。前々走1勝クラスも同じく前残りの展開を4角最後方から差し切り。上がりは同2位の馬に0.5秒差をつける最速で、1頭だけ力の違う競馬だった。近2走で着差以上の走りを見せており、今回の差し有利な展開は間違いなく向く。

×ダノンマッキンリー
ファルコンSは中京芝1400mで前残りの競馬を4角14番手から、上がり2位の馬を0.5秒上回る強烈な末脚を使って差し切る衝撃の内容。引き続き持ち味を出せれば。

×ロジリオン
ファルコンSは直線で進路を作れず敗戦と度外視可能。前々走、3走前で見られた強烈な末脚を発揮できれば今回も好走可能だ。

買い目は◎単勝1点、◎-◯馬連1点、◎-◯-▲△××3連複4点で勝負する。(花田)

▽NHKマイルC予想印▽
◎ジャンタルマンタル
◯アスコリピチェーノ
▲ゴンバデカーブース
△ディスペランツァ
×ダノンマッキンリー
×ロジリオン

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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