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現在開催中のSSFFで“味のなくならないガム”みたいな短編映画を見つけた!『Digging Woman 掘る女』【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

TOKYO HEADLINE

 こんにちは、黒田勇樹です。

 皆さん、どんなゴールデンウイークをお過ごしでしょうか。人によっては10連休とか、海外に行ったら円安で大変だとか…そもそも海外に行けていいなと思ったりする今日この頃です。

 特に予定のない人は映画や演劇を見ましょう。

 では今週も始めます。

 ほぼ、モノローグで構成されるストーリー。一見、平凡そうな女性が抱えている秘密。それは「人に隠れて、穴を掘ること」。3分半程度の短い映画なので、それ以外のことは一切、描かれません。

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 これが凄くいい。

 詩的というか、具体的にはワーズワースの様な印象を受けました。
 最近は、映画のテレビドラマ化が進んでいて、一番の問題は「説明が多い」なんですよね。
 テレビは、途中から観る人に向けて、説明をところどころ挟むのがセオリーなんですが、映画や舞台は「劇場に閉じ込めて最初から最後まで、強引に観せる」媒体だから、作り方が違うのですが、最近はテレビドラマの映画化が流行っていて、この境界が曖昧になっている気がします。

 エンタメ、いや、あらゆる産業が「1日24時間しかない人間の、時間とお金の奪い合い」という、側面を持っていると思うのですが、この映画は「たった3分半で…一晩語り合える質量」を持っていました。

「なんで掘っていたのか」「何を掘っていたのか」という推理をするのも楽しいし、「何を掘っていたら面白いか」というアイデア出しでも、「過去にどんな経験をして、掘り始めることに至ったのか」という空想でもずっと楽しめる。できるだけ監督を始めとする関係者には、設定を秘密にしておいて頂きたい。

“ショートショート”の良さを、存分に味わえる傑作でした。8回ぐらい観ちゃった。
 つまんなかったらすぐ忘れちゃうけど、こんなに後ろ髪を引かれる作品は久し振りでした。

 こういう「ザ・短編映画」から「ミュージックビデオ」「ドキュメンタリー」「アニメーション」「エクスペリメンタル(実験的な作品という意味)」などなど、“今の映画界”を短い時間で多くの本数を体験できる「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024」是非、ご参加下さい!

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