6度のMotoGPチャンピオンであるマルク・マルケス(グレシーニ)との激しい優勝争いの末、MotoGPスペインGP決勝を制したディフェンディングチャンピオのフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)。マルケスとのバトルを振り返り、接触もあったものの、“スマートな”戦いだったと語った。
25周で争われた決勝レース。序盤で首位に立ったホルヘ・マルティン(プラマック)が転倒した後、バニャイヤとマルケスは激しい首位争いを展開した。
2番手マルケスは14周目の時点で、首位バニャイヤとの差を1.2秒まで縮め、21周目には射程圏内に捉えた。
マルケスは残り5周というところでターン8、ターン9で仕掛けた。しかしここでマルケスはワイドにはらんだことで、続くターン10への切り返しでバニャイヤが接触しながらもマルケスを抜き返した。
これでバニャイヤが再びトップに立ち、翌周もマルケスの攻撃を交わしてトップチェッカーを受けた。
ふたりは先月のポルトガルGPでも接触していたが、バニャイヤはマルケスのバトルを楽しんだと語り、軽い接触も“スマートなやり方”だったと感じているという。
「バトルはめちゃくちゃ楽しかったよ」
レース後、バニャイヤはmotogp.comにそう語った。
「もちろん、マルクと戦う時は押しのけていく必要がある。バトルは熾烈だからね」
「彼はターン7とターン8でとても強いと分かっていて、彼がギャップを削ってくるのが毎周聞こえていたから、正直ディフェンスするにはあの場所しかなかった」
「でも僕はターン9の進入がとても強かったから、『ターン8ではリスクを取らず、ターン9では少しアドバンテージを稼ぐためにブレーキでかなり攻めよう』と自分に言い聞かせていたんだ」
「あれだけハードにブレーキで突っ込んでいれば、間違いなく彼は少しワイドに走ると分かっていた。だから僕はそれを利用して、ラインを閉めて前に出ようとしたんだ」
「こういうバトルをする時は、このような接触を想定しておく必要がある。僕はイン側にいたから、とてもスムーズでスマートだったと思う」
「彼はアウト側から僕を大外刈りしようとしていたけど、2台でエイペックスに到達したところで接触してしまった」
「彼は(バイクを)少し持ち上げた。僕も持ち上げていたら反対側に行ってしまっていたはずだから、僕はさらに寝かし込んだ。接触はあったけど、スマートなやり方だったね」
ポイントリーダーのマルティンが転倒しバニャイヤがスペインGPで勝利を手にしたことで、チャンピオンシップでのポイント差はわずか17点に縮まった。マルケスとの優勝争いの中でも、ポイントロスのリスクを最小限に抑えるため2位に甘んじようという考えはバニャイヤになかったという。
「それ(タイトル)について考え始めるのは時期尚早だ。ホルヘが転倒してからすぐ、バイクの感触が良くなって、プッシュし始めてラップタイムを削っていった」とバニャイヤは続ける。
「諦めて2位になろうとは考えもしなかったよ。僕はああいう時に諦めたりしない男なんだ」
MotoGP王者同士のガチンコバトル勃発! 頂上決戦制したバニャイヤ、マルケスとは接触も「スマートだった」
2024年4月30日