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【ドラマ「95」連載①】なぜ渋谷が若者文化の発信地となったのか?

テレ東プラス

ドラマプレミア23「95」第3話より

1995年の渋谷を舞台にしたテレビ東京開局60周年連続ドラマ ドラマプレミア23「95」(毎週月曜午後11時6分)。社会の仕組みに抗って大切なものを守りながら、がむしゃらに駆け抜ける高校生たちの姿に「懐かしくて泣けた」「タイムスリップしたよう」「激アツ!」などなどSNSでも話題となっている。

「テレ東プラス」では、ドラマ撮影裏話とともに、1995年を振り返る短期集中連載がスタート。第1回は【1995年の基礎知識】を押さえる。

【動画】髙橋海人主演、1995年の渋谷“ある事件”で人生が変わる

1995年の基礎知識


“1995年”とは、どんな時代だったのか?

ドラマを楽しむ上でも(とりわけ1995年を知らない世代には)重要なポイントなので、まずは“1995年”について振り返ってみよう。

1989年1月8日、元号が昭和から平成へ。1990年代は、そうした時代の変わり目に幕を開けた。

世相的なことでいえば、翌1991年に、好景気に沸いたバブルが崩壊。以降も企業倒産が相次ぎ、就職氷河期へ突入。夏場の異常高温が話題になり始めたのも、この頃だ。また国外では、湾岸戦争が勃発し、旧ソ連が崩壊してロシアに変わるなど、激動の時代でもあった。バブルの余韻をまだ残すものの、迫りくる不況や世界の混迷がじわじわと身近に迫っていることを肌で感じる……そんな時代だった。

そして1995年――年明け間もない1月17日に、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)が、2ヵ月後の3月20日には、地下鉄サリン事件が立て続けに発生。

ドラマプレミア23「95」第1話より

主人公のQ(髙橋海人)が持ち歩いている「ノストラダムスの大予言」に書かれた「1999年7の月に恐怖の大王が来るだろう」=世界が終わる“終末”を思い起こす人がいても不思議ではない。劇中で地下鉄サリン事件にひどく動揺したQのように。それくらい衝撃的な、未曾有の大災害と世を揺るがす大事件だった。

ちなみに「ノストラダムスの大予言」とは、16世紀のフランスの医師・占星術師のミシェル・ノストラダムスの詩篇集を、作家・ルポライターの五島勉が解説した一冊で、1973年に刊行されるや、わずか3ヵ月で100万部(公称)を売り上げた大ベストセラー。空から降ってくる“恐怖の大王”について、核ミサイル説や隕石説などさまざまな憶測が飛び交い、当時の日本人を不安に陥れた。Qは1978生まれの学年のはずだから、父親である高志(山中崇)が所有していた本なのかも……と想像する。

とはいえ、当時の若者たちはエネルギーにあふれていた。ビデオがDVDに、レコードがCD・MDにとって代わり、Windows95が発売されてパソコンが一般化。アナログからデジタルへ――。急速な時代の転換期のど真ん中に身を置く若者たちは、旧来のダサい大人たちを尻目に“新しい時代に入る”と直感し、来る未来に期待していた。

ドラマプレミア23「95」第1話より

Qをはじめ、翔(中川大志)、マルコ(細田佳央太)、レオ(犬飼貴丈)、ドヨン(関口メンディー)、セイラ(松本穂香)たちも、きっとそうだろう。劇中でかかっていた、ダブルミリオンを記録した当時の大ヒット曲「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント〜」(H Jungle with t)の「自分で動き出さなきゃ何も起こらない夜に」という歌詞が、その気持ちを代弁しているように思う。

ドラマプレミア23「95」第3話より

1995年“渋谷”の光と影


そんなQら星学ボーイズが通う星城学院があり拠点としている“渋谷”は、1995年という時代の転換期における中心だった。

ドラマプレミア23「95」第1話より

大人になったQ(安田顕)に取材する萌香(桜井ユキ)が言う「渋谷系、クラブカルチャー、コギャル、アムラー、小室哲哉、ヒップホップ」などの音楽から、チーマーやコギャル、スニーカー&ヴィンテージデニムブーム、“裏原宿”と呼ばれるエリアから生まれた「裏原系」などのファッション、アニメやゲームといったサブカルチャー、ポケベルなどのデジタル機器まで、若者文化の発信地はストリート=渋谷にあった。

ドラマプレミア23「95」第2話より

なお、第2話でQがモデルにスカウトされた“ストフリ”こと「東京ストリートフリッパーズ」のようなストリートカルチャー誌も爆発的な人気に。1995年9月には、女子高生文化を発信する伝説のギャル雑誌「egg」も創刊された。

一方、当時の渋谷には闇の側面もあった。チーマーたちによる抗争や品薄で高騰したスニーカーを奪う“(ナイキ)エアマックス狩り”、女子高生による援助交際なども横行。混沌とした時代であったがゆえに、無秩序な場所になっていたことも否めない。

余談だが、「なぜ渋谷に、こんなにも若者たちが集ったのか?」といえば、「JRに私鉄、地下鉄と電車の乗り入れが便利だったから」との説もある。誰もが翔のようにタクシーに乗れるわけではなかった。アルバイトの最低賃金が650円だった時代だ。Qもまたカラオケ店で働き、仮に放課後3時間アルバイトをしていたとして日に2千円ほど。翔は「タクシー代」とちゅうちょなくQに1万円札を握らせるが……そんな2人の根底にあるギャップを想像しながらドラマを見るのも楽しいかもしれない。

来週公開の第2回は、【1995年のファッション①】。ルーズソックス、腰履きなど当時のファッションを振り返りながら、衣装担当者にドラマでの描かれ方について話を聞く。キャスト陣からの提案による着こなしなど、貴重な撮影裏話も!

ドラマプレミア23「95」第4話より

テレビ東京開局60周年連続ドラマ ドラマプレミア23「95」(毎週月曜午後11時6分)第4話は?

第4話
人気雑誌『ストフリ』で活躍する江戸橋学園の宝来(鈴木仁)と家で飲むことになった秋久(髙橋海人)。家には、両親はおらずストフリを愛読している姉・淳子(桜井日奈子)1人。宝来が家に来たことで舞い上がった淳子の部屋に、宝来が入っていき…。秋久は様々な想いを1人抱えることになる。ある日、様子がおかしい秋久を心配したドヨン(関口メンディー)事情を聞き、翔たちは傷つけられた秋久のために反撃に出る…!


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