── 社会人1年目は苦戦していたように見えました。ご自身ではどのように捉えていたのでしょうか。
「おっしゃるとおり、社会人1年目は本当に苦しいシーズンでした。原因を挙げていけば、環境の変化や周りのレベルが上がったことなど、いろいろあるんですけど、社会人として陸上をしていくうえで至らない点があったと思っています。
社会人1年目のシーズンが終わったあとに振り返ると、自己ベスト(当時)を出した大学3年生の時の平均記録よりも、実は社会人1年目の平均記録のほうが速いんですね。なので、数字的に見ると決して悪いシーズンではなかったんです。
でも、レベルが上がって予選落ちしたり、勝てなかったりすることが続いたので、精神的に参ってしまったことが、苦しんだ理由のひとつです。
環境の変化という点では、社会人になり、立命館大学から筑波大学に拠点を移しました。筑波大学は学術的に競技に取り組み、知識をベースにしてトレーニングする環境です。その能力が足りないことが拠点を移した理由でした。
広告の後にも続きます
でも、実際に筑波に来て、周りと自分とのレベルに大きな落差を感じたことが、もうひとつの(不調の)原因だったと思っています」