吉田鋼太郎が新たに立ち上げる【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】の第一作として、 シェイクスピア不滅の金字塔『ハムレット』が、 彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて上演となります。
蜷川幸雄のもとでシェイクスピアの全37戯曲を完全上演することを目指し、 1998年のスタート以来、国内外に次々と話題作を発表してきた彩の国シェイクスピア・シリーズ。 シリーズ完結間近でこの世を去った蜷川幸雄から芸術監督のバトンを引き継いだ吉田鋼太郎は、 2017年から残された5作品を見事に上演し、23年2月に『ジョン王』をもってシリーズを完結。しかしその後も、シェイクスピア作品を長年愛し続けてきた吉田ならではの解釈と、 エンターテイメント性を意識した演出で高い評価を得た吉田のもとには、 新たなシリーズを望む声が多く寄せられていました。
本作で、ハムレットの親友・ホレーシオを演じた白洲迅さんにお話を伺いました。
――シェイクスピアの代表作『ハムレット』にて、重要キャラクターホレーシオを演じられますが、シェイクスピアの舞台に出るということについてどの様なお気持ちでしたか?
機会があれば挑戦しなきゃいけないなとは思っていました。正直、今回この話をいただいた時は迷いました。誰もが知る『ハムレット』という物語の中で演じる怖さはもちろんあったし、 改めてしっかり『ハムレット』と向き合った時に、読めば読むほど、 「おお、これは簡単じゃないぞ」と。
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(吉田)鋼太郎さんに演出していただくということもいつかは絶対経験してみたいと思っていて、これまでいくつかの作品で共演していますが、シェイクスピアで鋼太郎さんの演出の舞台という巡り合わせのお話をいただけたのは本当に感謝です。今まだ稽古が始まったばかりで、今読み合わせをしている最中ですけど(取材時)、それだけで「挑戦して良かったな」と思えました。何よりも鋼太郎さんのシェイクスピアへの熱い想いを知ることが出来て本当に良かったなと。
――稽古の中でもひしひしと感じてくるわけですね。
いつもはちょっと飄々としていて、特にドラマのリハなんかでは現場の雰囲気を盛り上げてくれるすごく楽しい方なんです。そんな鋼太郎さんが今回の芝居について「全身全霊をかけて、命をかけて」という言い回しをされてたんですよ。その顔合わせの際の挨拶を聞いて、自分も命をかけて挑まなきゃいけないなって。背筋がもうこれでもかってぐらい伸びましたね。
――ホレーシオという役柄についてはどの様な印象を受けましたか?
ハムレットの親友として、 ハムレットがものすごい激情であったり、様々な感情を爆発させたりしている側にいて、ハムレットの細かい変化も見逃さずに感じ取れる存在になりたいなと思いました。ホレーシオは渦中の人物でありながら唯一の生き残りのキャラクター。何が起こってしまったのかを唯一語り継げる人物ですからプレッシャーも大きいですが、まずは緊迫した舞台の中でも少し和ませる様なシーンも見せられたらと思っています。
――何度も舞台化されている作品ですが、また新しい『ハムレット』を見ることが出来るのが本当に楽しみです。