top_line

あなたの語彙力が試される!
無料ゲーム「ワードパズル」で遊ぼう

DeNA復帰の筒香嘉智が認めた好素材…10年の月日を経て開花した「努力の男」は

週刊ベースボールONLINE

迫力十分のラインアップ



強力打線の中でいいアクセントとなっている関根

 筒香嘉智がDeNAに5年ぶりに戻ってきた。4月18日に横浜スタジアムで開催された公開入団会見。約9600人のファンが球場に集まった中、筒香が「毎日練習している時間の中でいろいろ考えていく中、ベイスターズで優勝したいという思いが日本でプレーをするモチベーションになりました」と語ると、大きな拍手が注がれた。

 打線の軸として期待されていたタイラー・オースティンが右太もも裏の肉離れで4月12日に登録抹消に。戦力ダウンが危惧された中、筒香の復帰は心強い。牧秀悟、佐野恵太、宮崎敏郎と強打者が並ぶラインアップは迫力十分。ただ、打線はポイントゲッターだけでは機能しない。V奪回に向けてポイントを握るのがチャンスメーカーだ。ドラフト1位で入団した度会隆輝が開幕から一番で出場しているが、もう一人の切り込み隊長も重要な役割を果たしている。プロ11年目の関根大気だ。

昨年は初の規定打席到達


 昨年は自身初の規定打席に到達し、140試合出場で打率.261、4本塁打、31打点、チームトップの11盗塁をマーク。今季は開幕カードの広島3連戦でスタメンを外れたが、2カード目の阪神戦(京セラドーム)で3試合連続猛打賞と爆発。その後は外野のスタメンに定着している。打順は六、七番が多かったが、17日の広島戦(マツダ広島)以降は6試合連続二番で出場。他球団のスコアラーは「小技、ヒットエンドランなどいろいろな選択肢に応えられる厄介な選手。ツボにはまれば長打もありますしね。DeNA打線を抑える上で重要なキーマンだと思っています」と警戒を強める。

 ドラフト5位で東邦高から入団したのが10年前。当時の中畑清監督に「イチローを超えろ! それくらい期待している」と絶賛されるほど、野球センスは際立っていた。春季キャンプの一軍メンバーに高卒新人で球団史上14年ぶりに抜擢されると、イースタン・リーグで101試合出場し、打率.271、6本塁打、32打点をマーク。シーズン終盤には一軍デビューを果たし、「一番・右翼」でプロ初のスタメン出場を飾った10月4日の巨人戦(東京ドーム)で初回にプロ初打席初安打を記録した。

試行錯誤しながら成長


 関根は高1の夏前に家族で愛知県春日井市から名古屋市に転居している。練習時間を増やすため、母・美華さんが決断した。その感謝の気持ちは常に持っている。入団2年目の2015年に週刊ベースボールのインタビューでこう語っていた。

「高校2年の冬、自分の進路を考えたときに野球以外の仕事をしている姿が想像できなかったので、プロに行く決心をしました。ただ、そんな実力はなかった。ドラフトの指名候補にも入ってなかったですし、コーチからも絶対無理だと言われました。だったら見返してやろうと、誰よりも、必死に練習しました。そのエネルギーの源になっているのは家族の存在です。お金を稼ぐことも大事だと思っています。自分が生活していくためにも必要だと思いますし、一人で育ててくれた母のためにもという思いもあります。それと、自分のために頑張ろうと思っても頑張れないんですよね。自分のためより、応援してくれる人のため。一番は自分の身近な存在の家族のため。そう思った方が頑張れるんです」

 その後の野球人生が順風満帆だったわけではない。打撃フォームで試行錯誤した時期があり、20年はイースタン・リーグで打率.301、OPS.831の好成績を残したにも関わらず、一軍から昇格の声が掛かることは最後までなかった。心が折れても不思議ではないが、野球に向き合うストイックな姿勢が変わらなかったからはい上がれた。一軍に定着した現在も向上心旺盛だ。昨オフにメキシコのウインター・リーグでプレーし、打率.345で日本人選手初の首位打者に輝いた。

 筒香も関根の素質、野球に向き合う姿勢を認め、自主トレを共に行っていた。5年ぶりの共闘で成長した姿を見せられるか。関根が塁に出て、筒香の一打で本塁に戻ってくる。こんな場面が1試合でも多く見られれば、チームは上昇気流に乗れる。

写真=BBM
 
   

ランキング(スポーツ)

ジャンル