今回は、国際TCHケアオフィス株式会社 代表取締役社長イ・リナ(韋梨菜)さんの新たな取り組みについて伺った。
2023年3月、りな先生のもとに第一子が誕生。しかし育休は取らず、「この頃の私は怖いもの知らずで仕事人間でした」と自身を形容する。りな先生によると、帝王切開での出産を予定していたため、産院にコンピューターとポケットWi-Fiを持ち込み、手術予定時間の1分前まで仕事をしていたという。
出産の日は院内出張セミナーの日でインストラクターを派遣し指示を出しながらセミナーを開催していたそうだ。インストラクターによる院内出張は10時〜16時で、りな先生の第一子が誕生したのが13時58分。帝王切開の縫合で14時50分には病室に移動したが39度の高熱と激しい睡魔で目を閉じてしまったという。
だが、16時のインストラクターからの院内出張終了の報告にはしっかりと連絡を返しており、「先生、出産予定日いつでしたっけ?」という質問に「今日、さっき産みました」と返すと、大慌てで寝ているように言われた記憶があると話す。
入院期間は1週間。りな先生は、「傷の痛みは強かった上、帝王切開でも後陣痛がありました。それでも入院期間中はコンピューターを持ち込んだことで仕事がはかどりましたし、必要なことでした」と語る。当時はコロナ禍で、対面形式で行っていたセミナーもオンラインが主流になりつつあったので、オンラインに切り替えたそうだ。
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また、「退院後からは新生児のお世話をしながら、デスクの横にオートスウィングベッドを設置し、リモートで仕事をする日々でした」と語る。育休を取らなかった理由については「育休とは従業員の制度のため、会社を経営している女性に制度は適応されません。取りたくても取れないのです」と説明。
続けて「私が仕事をしなければ、会社は倒産してしまいます。休みたくても休めないので、リモートをしていました。女性起業家のためにも育休の代わりとなる制度がいつかできれば嬉しいです」と話す。
2024年10月には第二子が誕生。第二子のお産は壮絶だったと語り、「第一子出産後から淡々とセミナーを進めてきたように見えるかもしれませんが、その裏で私の体はとんでもない状態になっていました。妊娠中の5月に初めて喘息にかかり、吸入器が手放せない生活。さらには喘息の激しいせきにより肋骨を骨折しました。それだけではなく、舌咽神経痛を発症したり、心電図で引っかかり通院したり、重度の貧血で鉄剤を注射するため週に2回通院する日々。さらに最後は切迫早産により絶対安静のため緊急入院しました。予定帝王切開日まで入院し、無事出産。その2日後、子連れ入院を行い帝王切開後のボロボロの体で2人の赤ちゃんのお世話をしました。もう一度やれと言われても絶対にやりたくないほどで、気合と根性で乗り切りました」と振り返る。
第一子誕生の際と同様に育休の制度は利用できなかったため仕事に追われていたとし、「ありがたいことに仕事は増えており、企業からの依頼もきています。それに合わせて新たなセミナー資料を作成する日々でした」と語る。
りな先生は6つの歯科医療従事者向けのオンラインセミナーを始動させており、精力的に取り組んでいる。
1つ目はMFTのセミナー。MFTとは「口腔筋機能療法」を指し、正しい舌の動きや口のまわりの筋肉の動きを習慣化し、正しく機能させる訓練のことだ。