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カナダ代表を率いてW杯3位、来季からネッツの新HCに就任!NBA初のスペイン人指揮官ジョルディ・フェルナンデスとは<DUNKSHOOT>

THE DIGEST

カナダ代表を率いてW杯3位、来季からネッツの新HCに就任!NBA初のスペイン人指揮官ジョルディ・フェルナンデスとは<DUNKSHOOT>(C)THE DIGEST
 現地時間4月22日、ブルックリン・ネッツが来季の新ヘッドコーチ(HC)に、スペイン人のジョルディ・フェルナンデスを任命したことが発表された。

 現在、トロント・ラプターズではセルビア出身のダーコ・ラヤコビッチが指揮官を務めているが、同国と並んで欧州を代表するバスケ大国のスペインから、初めてNBAのHCが誕生することになる。

 スペインきってのバスケエリアであるバダロナ出身のフェルナンデスは、この「生活の中にバスケが溶け込んでいる地」で生まれ育ったことが、キャリアをバスケットボールに捧げることになった理由だと、かつて地元メディアのインタビューで語っている。

 バダロナには質の高いローカルクラブも数多く、スペインの神童リッキー・ルビオが育成を受けてプロデビューしたのも、この地を代表するプロクラブのホベントゥット・バダロナだ。
  フェルナンデスは、15歳から地元のクラブでコーチを始め、その後バルセロナ大学でフィジカルアクティビティとスポーツサイエンスの学位を取得した。

 そんな彼がNBAでのキャリアを築く道筋を拓いた1人が、現サクラメント・キングスHCのマイク・ブラウンだ。

 毎年、NBAのサマーキャンプに参加していたフェルナンデスをブラウンが見初めて、当時彼が指揮官を務めていたクリーブランド・キャバリアーズに招き入れた。今から15年前の2009年のことだ。

 フェルナンデスはそれから2016年までキャブズに所属し、最後の2シーズンは下部組織であるGリーグのカントン(現クリーブランド)・チャージを率いて、プレーオフで2年連続セミファイナル進出という実績を残した。

 その後はデンバー・ナゲッツで6年間アシスタントコーチを務めたあと、2022-23シーズンからは再びブラウンとタッグを組み、HC補佐という形でキングスのコーチングスタッフの一員となった。ブラウンが不在だった数試合では、HC代理を任されている。

 数年前から、「近い将来NBAのヘッドコーチになる」という評判を得ていたフェルナンデスが、さらに評価を高めたのが、カナダ代表の指揮官として臨んだ昨年のワールドカップだ。

 国際舞台での経験が浅いNBA選手中心のチームを見事に束ね、3位決定戦でアメリカを破ってカナダを初の銅メダルに導いた手腕は、彼の指揮官としての名声を大きく高めた。 この大会で印象的だったのは、常に自信に満ち溢れた彼の毅然とした態度だ。

 準決勝でセルビアに敗れた試合(86-95)では、試合後の会見でゲーム内容についての批判も浴びたが、「FIBA の試合で86点を取ればたいていは勝てる。だから自分たちのオフェンスには問題なかった。ディフェンスが悪かったから勝てなかった」と強調したところにも、彼の強気なマインドがうかがえた。
  フェルナンデスは、批判やプレッシャーに常にさらされるNBAの指揮官というポストに就く上で必要なパーソナリティーを備えている人物だと見受けられる。

 今季終盤にはシャーロット・ホーネッツの次期指揮官の候補にも挙がっていたが、その後、ネッツのオーナーのジョー・ツァイ氏との面談を経て、正式にHCに選ばれた。台湾出身で中国のグローバル・インターネット会社「アリババ」の共同創業者であるツァイ氏はカナダ国籍も持っていることから、その部分の縁も感じられる。

 母国スペインでのコーチングスタッフをはじめ、ナイジェリアやノルウェー、オランダなど、様々な国の多様な指揮官の元で学んだことも、フェルナンデスの経験を豊かにしている。近年、国際色がますます豊かになっているNBAでも、その経験は役立つことだろう。

 41歳のフレッシュな指揮官とともに、再起を図る新生ネッツの今後に注目だ。

文●小川由紀子
 
   

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