今季はアマチュアのニック・ダンラップが優勝したアメリカンエクスプレスで2位になったり、予選落ちも少ないし割と好調です。プライベートでは昨年11月に第一子となる男児が誕生。公私とともに非常に充実している状態です。
彼は典型的な“小技が上手い人”。そんなに飛ぶわけでもないし、スタッツ的にはドライバーが上手ではないことがわかります。しかし特に上手いのがグリーン周りとパッティング。これらが安定しているからこうして戦えるんですね。
さて、今年はオリンピックイヤーでもあり、プレジデンツカップも開催されます。彼がどのくらいこれらに思いがあるのかはわかりませんけど、前回の東京オリンピックにも出ているし、多くの選手がLIVゴルフに行った南アフリカのなかでは現在最上位の候補。ただ、これも安泰ではなく、元来レベルの高い国ですからうかうかはしていられません。また、プレジデンツカップのインターナショナルチームのサブキャプテンにアーニー・エルスとトレバー・イメルマンの母国の偉大な先輩2人が就任。こう考えると、オリンピック出場もプレジデンツカップ出場も視野に入っているのではないでしょうか。すると、こういう1試合1試合が大事になってきます。
また、ホストプロとして昨年は予選落ちしているので、今年はとにかく頑張るのではないでしょうか。ISPSは障害者ゴルフにもアツい企業ですから、彼のキャラクターで優勝スピーチがあれば、世の中の多くの吃音症の方にも勇気を与えるとも思います。
イェスパー・スべンソン(28)/スウェーデン
イェスパー・スべンソンのことは、僕もあまり知らなかったんです。でも先月、シンガポールクラシックでタイのアフィバーンラトとのプレーオフを制して初優勝しました。昨シーズン欧州2部ツアーで1勝し、ランキング5位で昇格、今シーズンはルーキーイヤーです。
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アメリカ、ノースキャロライナのキャンベル大学を卒業。多くのスウェーデン選手と同様、最初はノルディックリーグという北欧ベースのツアーから始まり、欧州2部ツアーに昇格、今シーズンはDPワールドツアーで戦っています。
シンガポールの前にも2位を2回、いい兆候を初優勝につなげました。今シーズン開幕時のワールドランキングは339位だったんですけど、今は110位。オリンピックも狙えなくはない位置で、スウェーデンでは5番手。今、ラドビッグ・アバーグがダントツで1番ですけど、2番手のアレックス・ノレンはランク69位。スべンソンがもう1勝すると一気に可能性が出てきます。彼は17-18年、欧州アマチュアチーム選手権という、国同士で戦うチーム戦のスウェーデン代表でアバーグとチームメイトでした。彼の今の活躍も大いに刺激になっているでしょう。
また、ワールドランクは110位なので5月開催の全米プロ出場も狙えますが、今年からDPワールドツアーのフォーマットが大きく変わって、PGAのプレーオフシリーズのようなものを作ったり、地域ごとに”スウィング“に分けたり。そして本大会も含まれる「アジアンスウィング」の全体通しての1位は、ボーナス20万ドルや全米プロに出られる権利をもらえます。中島啓太選手が今1位ですけど、彼はワールドランク77位なのですでに全米プロには出られる。ただ2位のスベンソンにとっては、本大会がアジアンスウィングの1つだということはモチベーションが上がる要素で、「1位になることで全米プロに出られることはすごく気にしてる」と本人もコメントしています。
今調子もゴルフも右肩上がりでやる気に満ち溢れているはず。レース・トゥ・ドバイのランク(欧州賞金ランク)も3位ですから。彼はスタッツを見ると、現在欧州ツアーのドライビングディスタンスで6位。328ヤードアベレージですからかなり飛距離は出る選手です。ここにも注目したいですね。
マチュー・パボンは中島啓太、マッテオ・マナセロとの組み合わせ。
初日は7時00分に10番ホールから、2日目は12時00分に1番ホールからスタート。
クリスティアン・ベゾイデンハウトとイェスパー・スべンソンは同組で、残りの1名は石川遼。
初日は12時00分に1番ホールから、2日目は7時00分に10番ホールからスタート。
後編はこちら
[https://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17696891]