カリウムには動脈の壁を緩めて血圧を下げる作用があり、血圧が下がることで心臓血管疾患や脳卒中のリスクも下がるのです。
カリウムとナトリウムのバランスがとても大事なため、カリウムが多く含まれる野菜果物を中心とした食品を摂っている人は少々塩分を摂ってもそこまで影響は出ない。逆に、加工食品ばかりを食べている人は、ナトリウムの比率が高くカリウムが低いのでバランスが悪くなってしまいます。
ある研究では、「高血圧の原因はナトリウムの過剰摂取よりもカリウムの欠乏である」という報告もされています。
加工した食塩よりも“自然の塩”をなるべく使うこと!
バナナ1本には大体450mgのカリウムが含まれているので、バナナをはじめとした野菜果物をたくさん摂り、できるだけ加工食品を避けることが大切です。
また、塩に関しても、加工した食塩よりも自然の塩をなるべく使うこと。
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加工した塩にはナトリウムしか入っていないですが、自然の塩にはカリウムやマグネシウム、カルシウムも入っているので、相対的にナトリウムの比率が下がっています。
例えば、ヒマラヤ岩塩はほかの塩に比べてナトリウムの比率が低く、カリウムの比率が高くなっています。
基本的には、自然の塩を使いつつ、野菜果物をしっかり摂っていれば、塩分の制限を過剰に考える必要はないということを理解しておいてください。
(TEXT:山田周平)
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画像提供:Adobe Stock
石黒成治先生
消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は37万人超(2024年1月時点)。