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新日本プロレス プロレスラー兼社長の棚橋弘至さんにインタビュー!〈後編〉【話題のエンタメ】

ファンファン福岡

 新日本プロレスの人気プロレスラー棚橋弘至(ひろし)さんがファンファン福岡編集部を訪問♡  昨年末、現役ながら同社の社長に就任したことで話題の棚橋さん。今年も福岡で開催される「レスリングどんたく2024」などについてプロレスビギナーの編集部が聞きました! 2部構成の後編を紹介します。※2024年3月29日取材

「1話完結の先に伝えたい大きなテーマがある」

棚橋さんの得意技「ハイフライフロー」はどのように生まれたのですか?
 コーナーから飛んで、寝ている相手にボーンッと乗る「ダイビングボディープレス」という技に格好いい名前をつけました。僕はヘビー級では体が小さい方なんです。ヘビー級でどうしてもチャンピオンになりたかった。どうしたら、120、130kgある選手に技をかけられるかなと考えました。

 倒して上に乗っかるしか勝つ方法がなかった。大きい選手は持ち上げて投げられるわけでもないですし。そんな中、昔からある伝統的な技に戻りましたね。ビジュアルは最先端をいってたつもりなんですけど…、やってるプロレスは過去の技のいい部分をフィードバックしました。ビジュアルとプロレス技が逆方向にいっちゃいましたね。

©新日本プロレス

棚橋さんの決めポーズについて教えてください。
 水嶋ヒロさんがされていた仮面ライダーカブトのポーズです(中指、薬指、小指を曲げて人差し指と親指を立てる)。仮面ライダーにプロレスのヒントがあったんです。「1話完結が続いていく先に伝えたい大きいテーマがある」。これがプロレスと一緒だと思ったんですよ。(東京)ドームから始まってドームで締めるプロレスのイメージとつながりました。

 「好きだ好きだ」と言っていたら、劇場版仮面ライダーの映画に出てしまいました。「パパはわるものチャンピオン」という映画で主演もしています。俳優もして、肩書が増えちゃった(笑)。

皆さんに伝えたい「ありがとう」の最上級が「愛してます」

決めぜりふ「愛してま~す!」はどのように生まれたのですか?
 全くプロレスとつながらないような言葉ですよね。2000年代に新日本プロレスの動員数が下がって、会場も盛り上がらず、選手の離脱も続いて、良くない時期だったんです。そんな中、僕が初めてIWGPのチャンピオンになったとき、当日来るはずだった外国人チャンピオンがドタキャン。いる選手でトーナメントをしてIWGPの暫定王者になったんです。 

 「今、新日本プロレスはこんな状況ですけど、僕は新日本プロレスを愛してます。皆さんを愛してます。ありがとうございました」と静かに言いました。今みたいに絶叫系ではなかったんです。会場に来てくれたファンの皆さんに伝えたい「ありがとう」の最上級が「愛してます」だったんです。自然と生まれた言葉が次第に絶叫系になっていきました。

 ビジュアル、決めぜりふ、決めポーズ。三種の神器がそろわないとトップを取れない時代に僕がしてしまった。ポーズもセリフも考えないといけないから後輩たちが苦しんでます。「棚橋前」と「棚橋後」で歴史を変えてしまったんですよ(笑)。

©新日本プロレス

福岡で食べる勝負飯は?
 基本的には食事を節制し年間を通していいコンディションでいたいとは思っていますが、ラーメンをおいしくいただいています。福岡にはトラップがあるんです。「今年はラーメンを我慢しよう」と思っていても空港の「ラーメン滑走路」でつかまってしまうんです。そこに後悔はないです。さらに練習に熱が入ります!

どんなトレーニングをしていますか?
 ウエートトレーニングをだいたい1時間くらい。加えて有酸素運動、道場での受け身の練習。最近のルーティンは、朝食前にウオーキング30分。ワークアウト後にバイクなどの有酸素運動、ウオーキングマシンを30分。肉体改造に励んでいます。棚橋のビジュアルが決まらないとチャンピオンへの期待が上がらないのでね。

現在のコスチュームのポイントは?
 歴代棚橋のコスチュームの中で最も派手です。羽の量が多すぎて、後ろからスタッフがついてこないと羽が落ちてしまいます。ただ、これを着ていたら迷子にならないです。

 アームカバーをするようになったのは、肘をけがしてからテーピングを見られたくなかったから。海野翔太とコスチュームが似ていて僕が変えてあげたというのは言い訳で…、多少腹筋が割れてなくても視線をそらせるかなという甘えがありました。だた、来年はなくてもいいかなと。肉体を完成させて、上半身は全部見せられる体になります!

ファンファン福岡編集部を訪問した棚橋弘至さん

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今後のコスチュームに期待しています。 
 コスチュームというのも、選手にとって個性で武器です。まず、“いい者か悪者か”一目で分かります。プロレスは個性の戦いで、同じレスラーは2人いらないんですよ。普段一緒に練習したり、道場で生活したり、会えば仲良く話す仲間なんですけど。一度リングに上がれば、そいういったところを抜きにして戦えるのが、プロフェッショナルですし、新日本プロレスが続いていく要因だろうなと思っていますね。

昨年、現役プロレスラーとして社長に就任されました。代表の仕事での苦労はありますか? 
 試合にフルで出て、平日は出社なので、休みがないです。でも、大丈夫です。疲れたことがないので(笑)。「疲れない」を社訓にしようと思いましたが、“ブラック感”が出るのでやめました。

©新日本プロレス

選手時代と比べて変わったことは。
 興行の日程、試合オフのテレビ出演やプロモーションのスケジュールがきついと、選手が会社に意見をいいたくなる気持ちが分かります。一方で会社側としては、売り上げを伸ばすために選手に稼働してほしいという部分が出てきます。僕は、選手の気持ちも分かるし、事務方の気持ちも分かるのでいい折衷案を出したいですね。お互いを思いやれるような会社にしたいと思います。

選手であり、社長である棚橋さんだからこそできることですね。
 はい。「100年に一人の逸材」感が出ちゃった。ただ、新日本プロレスの歴史は52年なんですけどね。

選手とのコミュニケーションで気を付けていることは。
 できるだけ若い選手とコミュニケーションをとるようにしていますが、以前より減りました。社長の肩書が付いたせいか、みんなが気を使って距離ができました。ただ逆に、(試合時)控室に入って周りを俯瞰で見られるようになりました。

ファンファン福岡編集部でインタビューに答える棚橋弘至さん

「エネルギーが切れたら、新日本プロレスに来てください!」

新しい職場で働く人が多い時期です。仕事を楽しむために意識していることは。
 覚えなければいけないこともあって、癖の強い上司、先輩もいると、しんどいと感じることもあると思うんです。僕は、それを面白がれるかどうかが分かれ道だと思います。「本当にしょうもないヤツだな」「またやってるよ」と自分の中で落とし込んだり、笑いに変えたり。ストレスをストレスで終わらせない。

 「勝ちたい、格好良くなりたい」というよりも「ファンの人に喜んでほしい、会場を盛り上げたい」と思う方が力が出ることをプロレスで学びました。「自分がどうなりたい、何をしたい」というよりも「周りの人に喜んでほしい」ということを仕事のモチベーションにすると、いつも以上に頑張れるんじゃないかなと。

 小学生のときに、100点の答案を母親に見せたらものすごく喜んでくれたのが原体験です。人の喜びを自分の喜びにするとものすごく力になりますよね。

 最初は自分のことで必死だと思うんですけど、もう一段階仕事のエネルギー量を伸ばすには「誰かのために頑張れる人になってください」といいたいです。本が書けるな(笑)。

©新日本プロレス


―棚橋さんが仕事をしていてうれしい瞬間は? 
 試合で勝って、コーナーに上ってリングの上からお客さんの楽しそうな顔を見るのがプロレスラーの醍醐味(だいごみ)で、やっててよかったと思う瞬間です。プロレスは物として残るものではありません。リング上、会場の空間からエネルギーを売っているんじゃないかな。プロレス会場はパワースポットだと思っています。

 普段の生活でしんどいことがあっても、「推し」が頑張っていたら「私もちょっと頑張ってみるか」と思ってほしい。ファンをエネルギー満タンにして帰します。ガソリンスタンドのイメージです。エネルギーが切れたら、新日本プロレスに来てください!

棚橋弘至さん 直筆サイン入りステッカー

棚橋さんのリフレッシュ方法は。 
 僕は服が好きなので、衝動買いをすることも。最近、ウイークデーがスーツになってしまったので、私服の出番がなくて…。服が部屋の中でこっちを見ています。 

 あとは、チートデーといって何も考えずに、ばか食いします。以前は年2回だったのが、週2回くらいになってきて…。僕はストレスを感じると食欲のリミッターが外れるんです。食べて、太って、それでストレスがたまって、また食べる、という負のループから抜け出せなくなっています。ただ、今年は抜けます! 棚橋の腹筋が帰ってきます!

インタビューに応じる棚橋弘至さん

「コロナ禍前の状態に戻して、そっとリングを降りようかな」

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