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浅野忠信「SHOGUN 将軍」藪重役で壊したかった既成概念 『マイティ・ソー』から13年、掴んだ大きなチャンス

シネマトゥデイ

「SHOGUN 将軍」浅野忠信ふんする樫木藪重 – (c) 2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

 真田広之が主演・プロデューサーを務めるハリウッド制作ドラマ「SHOGUN 将軍」で、主要キャストの一人に名を連ねた浅野忠信がリモートインタビューに応じ、自身が演じた戦国武将・樫木藪重との向き合い方、マーベル映画『マイティ・ソー』(2011)でのハリウッド進出から「SHOGUN 将軍」までの13年間を振り返った。

 日本の戦国時代を舞台にした作家ジェームズ・クラベルのベストセラー小説を、ディズニーが持つ製作会社の一つ「FX」が映像化した本作。天下分け目の合戦「関ヶ原の戦い」前夜、窮地に立たされた戦国最強の武将と、日本に漂着しその家臣となったイギリス人航海士をはじめ、乱世を生き抜く者たちの陰謀と策略渦巻くドラマが全10話で描かれる。

 アメリカでは社会現象化し、米テレビ界最高の栄誉とされる「エミー賞」作品賞の最有力候補の呼び声が高い本作。浅野は「真田さんが本当に努力して、 長い時間かけて作り上げた結晶だと思っています。少しでも多くの方へ広がっているということは、とても嬉しい限りです」と作品の反響について語る。

 浅野が演じた樫木藪重は、真田ふんする戦国武将・吉井虎永の家臣。自身の出世のためなら手段を選ばない曲者で、ライバルである石堂和成(平岳大)ともつながっている。

 日本で他の作品を撮りながら、「SHOGUN 将軍」の台本を読み込んだ浅野。「藪重は本当に面白い役ですから、何度も読んで、どうしたら面白くなるのかということを考えていました」と役づくりに没頭していった。

(c) 2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

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 「台本を読むと、最初に思い浮かぶイメージがどうしても軸になってしまうんです。それが本当に面白ければいいのですが、大体は、頭の中で見てきたパターン化されたものだったりするので、それを壊す作業からいつも始めるようにしています。『SHOGUN 将軍』の場合は、藪重の面白いところが『なぜ面白いのか?』をさまざまな側面から何度も考えるようにして、いろいろなアプローチを自分の中で構築していきました」

 「SHOGUN 将軍」の物語をかき回す藪重を演じるにあたって、浅野はこれまで抱いていた時代劇に対する既成概念を「いかに壊すかということしか、考えていなかった」と語る。その一つの例が、当時の言葉遣いだ。

 「実際に戦国時代に生きた人間が誰か1人でもいるのかっていうと、誰もいないんですよね。頭の中で、当たり前のパターンを壊さなければいけない。実際にその時代に行ったら、私が一番正しい話し方をするかもしれないわけで、日本の時代劇を観ることによって、“時代劇っぽい言葉遣い”が誕生したのです。それが正しいかどうか、藪重がそうあるべきかどうかも疑問でした。確かに、当時の言葉遣いで話してはいますが、そこに囚われることで、何か損なわれるものがあるのならば、それは選択したくなかったんです。これから時代劇を作る上で、みなさんの頭の中にある“時代劇っぽさ”を逆に利用できるか。そこは面白いポイントだと思います」

(c) 2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

 『マイティ・ソー』シリーズ3作品では、主人公ソー(クリス・ヘムズワース)の頼れる仲間ホーガンを演じた浅野。その後も『47RONIN』『バトルシップ』『沈黙 -サイレンス-』『モータルコンバット』などのハリウッド大作に出演し、海外で活躍する日本人俳優として知名度を高めた。

 「アメリカで仕事ができたのは、俳優人生において大きな1歩でした。そこで得たのは、自分で考えることです。私は日本の他の俳優とは少し違うタイプだということを自覚していたので、アメリカに行くことで、今まで考えてきたことを大きく花開かせるには何をすればいいのか、体で徹底的に覚えさせられたような気がしました」

 海外進出によって、俳優として世界で戦うために必要なことを学ぶことができた。「自分の強みや得意な分野を、最大限にアピールしていかないと生き残れないと思いました。キャラクターを演じる時、何をしたらお客さんが喜ぶのかを常に考えるようになりましたし、『マイティ・ソー』で味わった経験が、今回の『SHOGUN 将軍』の出演につながったといっても過言ではありません」

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