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勝負を決めた桜美林大・藤澤潤哉のバット グラウンド内外で役割を果たす副主将【首都大学リポート】

週刊ベースボールONLINE

貴重な勝ち点1を奪取



桜美林大・藤澤は勝負強さが武器である

【4月20日】首都大学一部リーグ戦
桜美林大9-8筑波大
※延長10回タイブレーク
(桜美林大2勝1敗)

 首都大学リーグ第3週1日目。桜美林大は1勝1敗のタイで迎えた筑波大3回戦に臨んだ。試合は9回表、2点を追う桜美林大が二死走者なしから3点を奪って逆転すると、その裏は筑波大が二死走者なしから同点。どちらも今季初の勝ち点獲得を目指し、執念を燃やす展開となった。タイブレークに突入した10回表、勝負を決めたのは「二番・左翼」の藤澤潤哉(4年・駿台甲府高)のバットだった。

 藤澤は3年生の昨秋に打率.297、2本塁打をマークし、レギュラーポジションを獲得。下級生の頃はストレートが苦手だったというが、フォームやタイミングの取り方を修正した。

「それまでは大きなフォームだったのをコンパクトにし、真っすぐに振り負けないように。タイミングについては足を上げていたのをすり足やノーステップにして、ピッチャーのタイプによって使い分けるようにしました」

 打席では捕手の反応を意識しているという。「見逃したときの反応で、打者を見るタイプか裏をかいてくるタイプか見極めるようにしています」。こうして打席での引き出しを増やし、リーグ戦でも結果を残してきた。今季は四番で開幕を迎えたが、筑波大との2試合ではわずか1安打。そこで、藤原悠太郎監督とマンツーマンで打撃練習に励んできたという。

「悪いときは引っ張って内野ゴロになってしまうので、緩い球や変化球に対して内からバットを入れて逆方向へ打ち返す練習をしてきました」。すると、すぐに効果が表れ、第2週の城西大1回戦で本塁打。本人は「自分は長打力があるタイプではないので、力のある真っすぐをライナーで弾き返したその延長が、ホームランになっているのだと思います」と謙そんするが、パンチ力が備わっているところも見せている。

 この日の筑波大3回戦では初回にサウスポーから逆方向のレフトへヒット。「左投手が打てていなかったのですが、今日は練習してきたことが形になりました」。さらに、延長10回表は一死満塁の場面で打席へ向かうと「この回は主将の飯岡大政(4年・石岡一高)がバントを失敗したのですが、飯岡にはいつも頼り切りなのでなんとか食らいついていこうと思っていました」と筑波大の前田大輝(3年・姫路高)からライトへ勝ち越しの犠飛。

「前田投手には開幕週に真っすぐでやられていたので、すり足のフォームで対応したのですが、1点が入るのと0点で終わるのでは全然違うので最低限の仕事ができました」と振り返り、藤原監督も「まだまだ力みがあるのですが、一番大事なところで結果を出してくれる」と信頼を口にした。桜美林大は後続も3連打とつながり、この回に一挙5得点。その裏に4点を返されたものの、9対8で逃げ切り貴重な勝ち点1を挙げた。「上位との対戦が残っているので、勝ち続けていけば、自然と上の順位を狙えると思います」と反撃を誓う藤澤。個人の目標については「昨秋は3割に届かず、ベストナインも取れなかったので、打率3割とベストナインを目指します」と話している。

 桜美林大は今シーズン、副主将を7人据え、チーム全員で戦う意識を高めている。その副主将の一人である藤澤も「飯岡はベンチにいることが多いので、ゲームキャプテンとして試合中に感じたことをチームに伝えています」とグラウンドの内外で役割を果たし、チームのために尽力している。

文&写真=大平明
 
   

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