みほとけさん
推し活ブームの今、人やキャラクター以外でも、あらゆるジャンルに推しをもつ人がいます。なかには、推しが仏像という人も。
“仏像大好き芸人”のみほとけさんはその一人です。2024年3月13日には、48の仏像の魅力を紹介する初の著書『みほとけの推しほとけ』(笠間書院)が発売されました。「めちゃくちゃイケメン」「天才モデル」「美のスパイラルカーブ」など、愛と興奮が伝わる解説にあふれた一冊です。
推しをもつ人に話を聞く連載「好きってなんなん?」第5回では、みほとけさんに、仏像の魅力と”好き”の気持ちをたっぷり語っていただきました。
修学旅行で運命の出合い
そもそもみほとけさんはどうして仏像好きに? という、”沼落ちエピソード”から聞いてみました。みほとけさんは神奈川県鎌倉市出身。もともと身の回りにお寺や古い場所があり、親しみがあったそうです。
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仏像にハマったきっかけは、高校の修学旅行で行った京都府・六波羅蜜寺の空也上人立像。空也上人は平安時代中期に活躍した僧侶です。仏像は、「南無阿弥陀仏」という言葉が六体の小さな仏になって口から出てくる印象的なビジュアルで、見たことがある人も多いのではないでしょうか。
『みほとけの推しほとけ』(笠間書院)表紙中央が、みほとけさんの描いた空也上人立像
口から仏像が出ている様子を拝観して、「本当にしゃべってる」「これが生きざまだ」と感じたというみほとけさん。写真で見るのと実際に目の前にするのとでは、感じ方が全く違うそうです。ある角度から覗いた時だけ、目に入っている水晶(玉眼)がチラッと光って見えるのも、空也上人が生きているように感じられてたまらないのだとか。
ネコ顔仏がたまらない
空也上人は実在の人物が仏像になった例です。信仰上の仏様をかたどった仏像の中からも、イチ推しを教えてもらいました。どの仏像も魅力的だからと悩みに悩んでチョイスしたのは、京都府・禅定寺の十一面観音菩薩。本文中では、「意志の強いオシャレで大きな美観音」と紹介されています。
みほとけさんが描いた、禅定寺十一面観音菩薩
むちむちした体つきの仏像は特に好みだそうで、本書にも何体も登場します。やっぱり、ビジュアルの魅力は大事なのだとか。さらに、仏像から見える歴史や物語にもロマンがあります。