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新レーベル設立、マネジメント強化、ビジネス改革……日高光啓(SKY-HI)が明かす、BMSGの経営戦略

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日高光啓(SKY-HI)

 日高光啓(SKY-HI)が代表取締役CEOを務める株式会社BMSGが4月15日、関係各社に向けたビジネスカンファレンス『Greeting & Gathering ’24』(以下、『G&G’24』)を開催。日高がプレゼンテーションを行い、BMSGがこれまで日本の芸能界、音楽業界に対してどのようなことをしてきたのか、そして今後のビジョンについて語った。

(参考:MAZZEL、SKY-HIに対する圧倒的な信頼 同志であり兄弟のようなあたたかい絆

 まず日高は、今回のプレゼンテーションのキーワードを「東京から、新しいカルチャーを世界へ発信する、機が熟した。」と発表。続けて、東京のカルチャーを世界へ発信する上で「TYOISM」(トウキョウイズム)というBMSG独自のグローバリズムを提示した。

 アメリカナイズされたもの、韓国ナイズされたものではなく、東京独自の魅力、育んできたカルチャーにリスペクトし継承する。そういった思想を内包する「TYOISM」という言葉と共に、今後BMSGが生み出すカルチャーを世界の音楽市場へ発信していくという。

 同カンファレンスでは、会社名の頭文字である「B・M・S・G」から、会社の経営方針などの説明も行われた。

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■“B”ーーBASE

 日高は、2024年にBMSGの自社ビルを持つことを発表。同ビルには、所属アーティストが練習に活用できるスタジオやレコーディングブース、スタッフやメンバー用のレクリエーションスペースのほか、アーティストの希望を受けて高機能サウナも完備されているという。日高は「オフィスワーカー、アーティスト、プロデューサーーー同じ船に乗っている仲間たちが、一つの場所に集まるための基地がある。これは大切なことだと思っています。ここが東京を拠点にカルチャーを世界へ発信する基地となります」と説明した。

 創業時は日高1名のみだった社員が、現在は約50名へと成長。組織形態においてはCSO(最高戦略責任者)とCOO(最高執行責任者)を配置し、ピラミッド型の組織へと体制強化を行なった。日高は9つの部署の中からマネジメント部署を取り上げ、BMSGではアーティストマネージャーの育成やシステムの再構築に注力していること、BE:FIRSTやMAZZELのチーフマネージャーは若い人材が担当していること、ソロアーティストは他業種から転職してきたスタッフがマネジメントを行っていることを紹介した。加えて、BMSGは創業当初から「芸能のルールより社会の常識」を大切にしていると語り、「芸能であっても社会と密接につながっていくのが、エンターテインメントのミッションであり、アーティストの仕事のうちのひとつ。まずはアーティストマネージャーがそこに強くコミットしてほしい。そんな思いから改革を進めています」と語った。

 経営方針のスローガンとしては、「HEALTHY&HONESTY」を発表。「モラル高く健康健全、全ての関係者に対して誠意をもつこと。至極真っ当な考えではありますが、音楽芸能業界においてはこれを掲げることが悲しくも革新的である――それが、現在の状況です。とはいえ一般企業と比較して保守的な組織かというと、そうではありません。例えば、私たちは企業として数字だけを追うことを健全とは考えません。もちろん利益はとても大切ですが、数値化しにくいクリエイティビティにしっかり投資できる。およびアーティストの人間的、社会的成長に目を向け、必要であれば投資を行っていける。これがアーティストをマネジメントするうえで健全な考え方だとBMSGは考えています」と説明した。

 日高は、「HEALTHY&HONESTY」の具体的な例として、BE:FIRSTで行なったクラウドファンディングを挙げた。

「『THE FIRST』は意志の純粋性を保ちたかったため、完全に自己資金で行いました。『自腹1億円』と報じられましたが、実際使ったのは1億4000万円。株主という形で外部から資本を入れるという方法もありましたが、当時私はステークホルダーを増やすことが得策だと思えませんでした。熱量高く命を懸けてプロジェクトを遂行している自分が、このまま突っ走る以外に成功の道筋がみえなかったんです。なのでお金が無くなったとみなさんに正直にお伝えし、クラウドファンディングという形で資金調達を行いました。結果、集まった資金は約4億6000万円。おかげでBE:FIRSTはクリエイティブにしっかり投資することができました。質の高いクリエイティブを作ればリターンが来る。それでまた質の高いクリエイティブを作る……という循環を作ることに成功したのです」

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