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『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』は“IMAX推し”。大スクリーンで観る“エゴい”試合は最高に熱くなる!

MOVIE WALKER PRESS

2018年より「週刊少年マガジン」にて連載中の「ブルーロック」。世界一のストライカーの地位をかけて高校生たちがしのぎを削り、サッカー人生を懸けて戦う――そんな、従来のスポーツ漫画の枠にとらわれない世界観で瞬く間に話題を集め、2022年にはテレビアニメ化もされた大ヒット作だ。

本日いよいよ公開となった『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』は、そんな「ブルーロック」の物語を、異なる主人公の視点から描いたスピンオフ作品。選手一人ひとりの動きを緻密に描写する試合シーン、まさに“命がけ”といっても過言ではない戦いの迫力はテレビシリーズと同様、いやそれ以上の臨場感を持って観る者を魅了する本作は、IMAXでの鑑賞をぜひおすすめしたい。今回は、観る者がフィールドに立っていると錯覚するような試合のシーンを中心に、IMAXでの必見ポイントを紹介していく。

■IMAXの大スクリーンで迫力もケタ違い…一人ひとりの動作を余すところなく見届けたい!

「ブルーロック」は、日本のサッカーW杯優勝のために集められた300人の高校生ストライカーたちが、育成施設である“ブルーロック(=青い監獄)”で、己のサッカー人生を懸けてその頂を目指すストーリーだ。勝利したものは栄光へのチャンスをつかみ、脱落したものは永久に代表選手になる資格を失う、そんな“デスゲーム”の要素も取り入れた斬新かつ過激な世界観で話題を集めた作品でもある。

世界一のストライカーに求められるのは、強烈な“エゴ”。チームプレーを推奨してきたこれまでのスポーツのあり方に真っ向から対抗し、ただひたすらに自分の放ったシュートがゴールネットを揺らすことだけを考える選手たちの苦悩や成長が描かれる。

本作の主人公は、「ブルーロック」本編の主人公である潔世一(声:浦和希)のライバルであり、サッカーへの関心は薄いながらも天性のセンスを秘めた凪誠士郎(声:島崎信長)だ。潔にとって時に心強い味方でもあり、時に自分をはるかに上回るパフォーマンスを軽々としてみせる、壁のような存在でもある。「頑張んなきゃ勝てないなんて、弱い奴ってめんどくさいね」と、煽りでもなく本気で言ってのけるようなキャラクターで、無気力かつ省エネルギーな印象を受ける。

凪のセンスを見抜き、サッカーの世界へ引き込んだ相棒の御影玲王(声:内田雄馬)とのコンビネーションによって、向かうところ敵なしだった凪。だが、ブルーロックで潔をはじめとするストライカーたちと出会い、彼らとの戦いを通して、少しずつ凪の“エゴ”が目を覚まし、やがて彼の才能を開花させていく。

作中でもやはり目を引くのは、ブルーロックに集まった選手たちの運命を左右する試合のシーンだ。「負ければチャンスを失う」「勝つしかない」…そんな極限状態の選手の心理描写や思考を挟みつつ、スピーディに展開してゆく試合。IMAXの大スクリーンではその迫力もケタ違いだろう。スクリーンを動き回るキャラクター達を目の当たりにすれば、自分もまるでそこにいるかのような感覚を覚えるかもしれない。

「ブルーロック」といえば、キャラクターの“エゴ”が花開いた瞬間、その瞳に灯る“炎”のようなエフェクトも印象的だ。スクリーンの中を駆けまわりながらも、その炎をしっかりと追いかけて表現する映像美で、彼らの活躍から目が離せなくなること必至だ。

■フィールド内を駆ける選手の動きや、ボールの軌道まで3DCGで美しく表現!

サッカーの試合の醍醐味として、長時間走り続けている選手たちが瞬時に判断し、足元で細やかなボールさばきを魅せることにあるだろう。こうした動きを極力リアルに、細やかに描き出すために取り入れられているのが3DCGによる作画だ。フィールド内を駆ける選手の動きや、ボールの軌道も正確に、そして美しく表現されている。

ボールを保持している選手はもちろんのこと、フィールド全体を俯瞰したり、見渡したりといった“引き”の映像でも、選手の特徴をしっかりととらえた丁寧な作画がなされている。誰がボールを持っているのか、それを追っているのは誰か…。『ブルーロック -EPISODE 凪-』では、カメラがフォーカスしている選手の“背景”として描かれるような選手も、ボールを追って走っていたり、マークしあったりと各々の動きをしているのがわかる。こうした情報量が豊かな本作は、壁一面に広がる巨大スクリーンで堪能できるIMAXならば、誰がどこにいるのか、なにをしているのかを把握し、試合の状況を理解するのに大いに役立つはずだ。

また、IMAXの数ある魅力の一つであるサウンドにもフォーカスしておきたい。わずかなミスも許されない試合のなかで放たれる、試合を決定づける印象的なシュート、ゴールへ向かう選手に迫る敵チーム選手の足音なども、IMAXの高精度なサウンドでよりダイナミックに表現。微妙なニュアンスも表現する音は、実際の試合を観るのと同等、もしくはそれをも上回るようなインパクトをもって、観る者の耳へ、心へと届けられる。

■わずかな音も正確に再現!IMAXの卓越した映像美でドラマティックな映画体験に

『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』は、凪や玲王の属する「チームV」の活躍にフォーカスして展開し、「一次選考」であるチームごとの総当たり戦や、3人チームでメンバーを奪い合う「二次選考」といった試合が描かれる。

潔が属する「チームZ」は、本作では“ライバルチーム”となり、凪たちと熱い戦いを繰り広げることになる。テレビシリーズでは潔たち「チームZ」にとって大きな壁となった「チームV」がどのように絆を深め、チームビルディングを行ってきたのか。試合以外のシーンでは彼らそれぞれの人柄がうかがえるようなやりとりも丁寧に描かれ、凪や玲王だけでなく、2人と共に試合に臨む剣城斬鉄(声:興津和幸)など、「チームV」のメンバーが試合中になにを考え、試合を通してどのように成長してきたのかが掘り下げられる。

IMAXの鮮明でシャープな映像と繊細なサウンドは、こうした“人物の心”の動きを表現するのにも最適だ。各キャラクターを演じるキャストの声はもちろんのこと、驚きや恐怖、不安といった“声にならない”息遣いまでも逃すことなくとらえ、観客のもとへと届けてくれる。

ブルーロックでの戦いを通して、凪は初めて自分のなかに灯る小さなエゴに気づくことになる。また、これまでサッカーには関心がなく、ただ求められるがままに玲王の夢を共に追うようにしてここまで来た自分にも、「負けると悔しい」という気持ちがあることにも気づく。試合を通して潔の強烈なエゴに触れた凪がわずかに恐怖するような表情と声、凪の変化を目の当たりにした玲王のショックを感じさせる息遣い。絶対に負けられない、そんな戦いが続くなかで揺れ動くブルーロックメンバーの心情は、優れたシナリオとキャストによって見事に表現されているが、その魅力を何倍にも高めてくれるのがIMAXの卓越した映像美と、わずかな音も正確に再現するサウンドシステムなのだ。

自分がこれまで歩んできたサッカー人生と、これからのサッカー生命をかけてストライカーたちが熱い戦いを繰り広げる『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』。鬼気迫る試合の連続と、ブルーロックで勝利を目指して走るキャラクターたちの心の動きは、IMAXでこそ最大限に表現され、ドラマティックな映画体験を届けてくれるだろう。

文/藤堂真衣

※島崎信長の「崎」は「たつさき」が正式表記
 
   

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