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解読『ジョジョの奇妙な冒険』Vol.3 ツェペリ、リサリサ、ブチャラティ……物語を動かす「メンター」たち

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pixabayより(イメージ)

 ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』を読むと、古今東西の英雄譚には、共通する物語のパターン(基底構造)があるということがよくわかる。若き日のジョージ・ルーカスが、その基底構造を参考にして、後に『スター・ウォーズ』と呼ばれることになる物語を構想したというのは有名な話だが、荒木飛呂彦の「ジョジョ」シリーズにも、このパターンがある程度当てはまるように私は思っている。

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 なお、キャンベルが提唱する英雄譚の基底構造とは、かなり大雑把にまとめてしまえば、以下のようなものになる。

(1)冒険への誘い(旅立ち)
(2)境界の越境
(3)究極の試練
(4)父的な存在との和解、もしくは、英雄自身の神格化
(5)帰還・復活

 さらにキャンベルは、物語が(1)から(4)へと進んでいく過程で、主人公(英雄)の前に、「自然を超越した力で助けてくれる人」(助力者)が現れるというパターンも指摘している。

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 神の召命を拒まなかった者が、英雄の旅の最初に出会うのは、これから遭遇する恐ろしい力に対抗するための魔除けを冒険者に授ける守護者(たいていは小さく皺だらけのおばあさんかおじいさん)である。
(中略)
 自然を超越した力で助けてくれる人は男の姿をしていることが多い。民話では森に住む小さい人々(リトル・ピープル)や魔法使い、世捨て人、羊飼い、鍛冶屋などがいて、姿を現しては英雄が必要とする魔除けや助言を授ける。高尚な神話になると、案内人、導師、渡し守、魂を死後の世界に導く者という崇高な姿になって、その役割を発揮する。
~『千の顔をもつ英雄』ジョーゼフ・キャンベル/倉田真木・斎藤静代・関根光宏・訳(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)より~

 神話の登場人物に限らず、こうした主人公を「導く者」(助力者)たちのことを、「メンター」と呼ぶ。そして、メンターによって授けられた技や教え、アイテムなどが、後に「究極の試練」(ラスボスとの対決や宝物の奪還など)に立ち向かう際、主人公を救うことになるのだ。

 たとえば、前述の『スター・ウォーズ』でいえば、エピソードⅣ~Ⅵの主人公、ルーク・スカイウォーカーのメンターは、オビ=ワン・ケノービとヨーダということになる(そして、後の物語では、ルークはヒロイン、レイのメンターとなる)。

■歴代の「ジョジョ」を導くメンターたち

 『ジョジョの奇妙な冒険』でも、世界が「一巡」する前の物語――すなわち、第1部から第6部までは、主人公である「ジョジョ」たちを導くメンターが必ず登場している(第7部以降は少々トリッキーな作劇になっているため、明確なメンターが登場しない場合もある)。

 以下に、第6部までの各部の主人公とメンターの名前を列挙してみよう。

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