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『時光代理人 -LINK CLICK-』が面白すぎる! 第2期は“逆再生”の衝撃スタートに

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『時光代理人 -LINK CLICK-Ⅱ』©bilibili/BeDream

 昨今、「めちゃくちゃに面白い」アニメに出会うことが難しくなってきていると感じる。それは、多くの作品が「ある程度」の面白さを担保しているからだ。最新の技術による綺麗な作画や、原作の面白さを活かした作品が多数存在する中、真に心を揺さぶられるアニメに巡り会うのは容易ではない。

参考:『時光代理人』には新海誠作品へのオマージュとアンサーも

 しかし、この度ついに「大当たり」の作品を発見した。それが『時光代理人 -LINK CLICK-(以下、時光代理人)』だ。以前から気になっていたものの、この春から第2期の放送が始まるというので、遅ればせながら第1期を観てみたところ、これが本当に面白いのだ。

 『時光代理人』は2021年4月に中国の動画サイト「bilibili」で配信され、日本でも2022年1月からTOKYO MXなどで日本語吹替版が放送開始された。さらに2024年には、実写の連続ドラマ化も決定している。実際に視聴してみて、国境を超えて熱狂的な人気を集める理由がひしひしと伝わってきた。

 本作の中心となるのは、ヒカルとトキという2人の青年のバディだ。ヒカルは写真を見てそこで何が起こったのかを知ることができ、トキは写真の中に入って撮影者として12時間だけ過去を体験することができる。2人は「時光写真館」で、この特別な能力を使って依頼者の思い出の写真を通して過去の真実を明らかにしていく。

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 「タイムリミットは12時間」「指示に従うこと。 絶対何も改変するな」「過去を問うな、 未来を聞くな」。これは、2人が依頼を遂行するときに掲げている3つのルールだ。過去を少しでも変えたことで、未来が劇的に変わってしまう……いわゆる“バタフライエフェクト”を避けるためだ。

 過去を変えるためにタイムリープを行う作品も多い中で、本作では過去の改変は許されない。トキが写真を媒介として入っていくのは、「他人の過去」。目的は事件の解決であり、たとえ小さな変化でも、その人や周囲の未来に大きな影響を与えてしまうかもしれないからだ。トキは、撮影者の辛い経験や悲しみを追体験しながらも、過去に干渉することなく、真実を探り当てなければならない。

 このようにしてトキとヒカルの元に持ち込まれる依頼を、オムニバスの形で丁寧に描いていく『時光代理人』。しかし一見バラバラに見えるエピソードは、徐々に繋がっていき、丁寧に張り巡らされた伏線が明らかになっていく。第12話まで続けて観ていくうちに「あの場面はそういうことだったのか!」と、たくみに盛り込まれた伏線が繋がっていく瞬間は、この物語の構成の妙に唸らされずにはいられない。

 第1期のエピソードの中でも印象的だったのは、2008年の四川大地震を描いた第5話「告別」だ。いつもならば「改変してはいけない」はずの過去の中で、トキが次々とアクシデントを起こしても「大丈夫、歴史は変わらない」というヒカルの判断が、「後に皆死んでしまうから」だったという悲しい展開は、背筋が凍るような衝撃を受けた。ローカライズを手がけた黒﨑静佳プロデューサー曰く、作品の背景には「中国の現実社会の問題が織り込まれている」そうで、アニメでありながらもどこか写実的な印象を受けるのにも納得がいく。(※1)

 『時光代理人』はその独創的な演出も、視聴者を魅了してやまない。第1期で毎話「俺たちの店がオープンするよ」というセリフから始まるトキのお決まりのナレーションは、静止画から物語が始まるという斬新な手法を用いている。これは「写真」がキーワードになっている本作ならではの演出だと言えるだろう。日本のアニメでも最後にエンドカードが用意されているパターンはよく目にするが、この“静止画から動画へと移行していく”様子は、まるで写真の中の世界が動き出すかのようで、物語への没入感を高めてくれた。一方で第2期は、第1期のあらすじを網羅するような映像から始まるのだが、これもただの「あらすじ」の映像ではない。途中から絵柄のタッチが手書き風になり、加速する第1期ラストの緊迫感と荒々しさをMVのような映像美で紡いでいく。

 さらに、現在第2期が放送されている中で、話題を集めているのがOP映像である。なんとこのOP、後半からは映像も曲自体も前半部分の逆再生になる。この“時間を遡る”ような仕掛けについて、作詞・作曲を手掛けたボーカルの鱼麦扣(Michael Yu)によると、その部分のメロディだけで4カ月かかったことを明かしている。(※2)ちなみに第1期OPでは、キャラクターたちが足でステップを踏まず、腕、肘、手首、手の細かい動きを組み合わせた「タットダンス」を踊る姿が話題となった。

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