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【大学野球】立大・木村泰雄監督がリーグ戦初勝利 慶大・堀井哲也監との間にある“固い絆”

週刊ベースボールONLINE

「本当にうれしいです」



開幕2戦目にして、監督として神宮初勝利。立大・木村監督はウイニングボールを手に、ポーズを見せた[写真=矢野寿明]

【4月14日】東京六大学リーグ戦(神宮)
立大3-1早大(1勝1敗)

 今春から母校を指揮する立大・木村泰雄監督が早大2回戦で1勝1敗のタイとし、リーグ戦初勝利を挙げた。試合後に言った。

「一つ勝てて、ホッとしている。本当にうれしいです」

 試合後に、微笑ましい光景があった。学生から記念のウイニングボールを手渡された木村監督。一塁ベンチから引き揚げようとすると、東大との第2試合を控えた慶大・堀井哲也監督と遭遇した。

 木村監督と堀井監督は、静岡県立韮山高校の同級生である。3年生当時、木村監督はエース、堀井監督は左翼手だった。同じクラスになったこともあり、仲が良かった。堀井監督は現役で慶大に合格した一方で、木村監督は1年の浪人を経て立大の門をたたいた。

 堀井監督は4年秋に左翼のレギュラーを奪取した苦労人だ。木村監督は立大入学後に外野手にコンバートし、右打席から左打席に転向。努力を重ねて、3年春から中堅の定位置をつかんだ。堀井監督は4年秋、立大戦で「六番・左翼」で出場し、木村監督は「二番・中堅」で相対した。堀井監督は立大2回戦で放った勝ち越し3ランが、リーグ戦初本塁打。慶大が連勝し、堀井監督に軍配が上がった。

 2013年の都市対抗準々決勝。堀井監督はJR東日本を率い、木村監督は日本製紙石巻を率い、指揮官として激突した(JR東日本が勝利)。東京ドームでの決戦から11年後、今度は母校の監督として、神宮で顔を合わせた。


堀井監督は木村監督から手渡されたウイニングボールを、スタンドへ投げ込もうとする素振り。同級生だからこそできる「祝福」であり、2人には固い絆がある[写真=矢野寿明]

 記念すべき、神宮初勝利。堀井監督は「見せてくれよ」と、木村監督が持つウイニングボールを手にした。すると、一塁スタンドに投げ込む素振りを見せた。「俺、取りに行くから(笑)」(木村監督)。木村監督は「高校生みたいなことをするんですから」と苦笑いを浮かべながらも、同級生からの“祝福”に、喜びを隠せない様子。2人には固い絆がある。

 立大と慶大は第4週(5月4、5日)で対戦する。立大は18年秋の慶大2回戦での勝利を最後に、4引き分けを挟んで19連敗中。立大が慶大から勝ち点を奪取したのは、16年春が最後だ。木村監督は「堀井監督と同じ時期に神宮でさい配することに、驚きと運命を感じます。厳しい戦いになる。何とか食らいついていくしかない」と語った。一方、堀井監督も「一戦一戦、1カード、1カード、六大学の戦いというのは、五分五分だと思っている」と警戒感を示している。

 過去に例のない、東京六大学における、監督としての高校生同級生対決から目が離せない。

文=岡本朋祐
 
   

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