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【大学野球】大越基を父に持つ立大・大越怜がリーグ戦初勝利 「父がいた早稲田に勝てたことはうれしい」

週刊ベースボールONLINE

5回58球の省エネ投球



立大の右腕・大越は早大2回戦で、リーグ戦初登板で初勝利を飾った[写真=矢野寿明]

【4月14日】東京六大学リーグ戦(神宮)
立大3-1早大(1勝1敗)

 初登板初先発。立大・大越怜(3年・東筑高)は神宮の独特な空気を感じ取っていた。2年生以下のフレッシュトーナメント、4月2日の社会人対抗戦(対日本通運)でのマウンド経験はあるものの、やはり、リーグ戦の雰囲気は別物である。

「早稲田の応援が耳に入って、緊張するところもありましたが、バックの人たちが守ってくれ、投げやすかったです」

 5回2安打1失点でリーグ戦初勝利を挙げた。セットポジションからテンポが良く、58球の省エネ投球。早大・小宮山悟監督は「低めに丁寧にボールを集めて、特にスライダーがコントロールされていた」と評価した。

 大越の父はかつてダイエーのユーティリティープレーヤーとして活躍した大越基さん(早鞆高監督)。仙台育英高(宮城)では1989年夏の準優勝投手である。高校卒業後は早大へ進学。1年春のリーグ優勝時に胴上げ投手となったが、秋以降は登板なく、1年で中退している。

 大越は父の影響で野球を始め、福岡県トップレベルの進学校・東筑高に進学した。

「(2017年夏と18年春の甲子園に出場した)石田(旭昇)さんにあこがれて高校も決めました。(法大の)石田さんがレーした東京六大学の舞台でプレーしたいと思いました」

 指定校推薦で立大経済学部に進学。2年間の下積み生活を経て、今年の春先からのオープン戦で結果を残し、昨年11月から指揮する木村泰雄監督から信頼を得た。「この冬場にストレートの強さにこだわってきまして、(自身のボールの)ナチュラルにシュートする特長をとらえ、ゾーンに集めることを意識してきました」。最速144キロのストレートは球質が良く、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップともキレが良い。

「3月下旬には(開幕カードの2回戦の)先発を決めていた。1週間前、本人に伝えました」。相手は父がかつて在籍した早大である。「開幕カードが早稲田さんということで、たまたまの巡り合わせで……。その中で実力が発揮できたのは素晴らしい」(木村監督)。

 大越は「父が投げた神宮のマウンドに立てたのは、良い経験になりました。父がいた早稲田に勝てたことはうれしい。試合前には『マウンドを楽しんで、自分のやってきたことを信じてやれば大丈夫』と言われました」と語った。特別、相手校を意識することはなく「2回戦の先発として、しっかりやることをやろう」と、この日に合わせて調整してきた。

「今日は『楽しめたか?』と聞かれれば、そこまでではありませんでした。緊張感を楽しめるぐらいのピッチングをしたいです」

 1回戦を落とした立大は2回戦で1勝1敗のタイとした。勝ち点をかけた3回戦、残り4カードでも、チームの勝利のために腕を振る。

文=岡本朋祐
 
   

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