この凡庸な結論のあとに、成田さんを論じる。私は「高齢者の集団自決」発言については擁護も批判もない。真正面から感想を訊(き)かれたら誰だって「適切だったとはいえない」とはいうだろう。
その話とは別に、私は成田さんを脱構築の人だと思っている。学者らしからぬメガネ、発言、服装。データで真面目なトピックスを論じたかと思えば、お笑いをやったり、アーティストなどと垣根を越えた対談をしたりする。そして現代思想にも若き頃から通じるオタクでもある。
成田さんはメディア批判を繰り返すが、メディア人は面白がって起用する。すべてがねじれている。もはや文化人の広告起用の価値すらも無であると体現しようとしているのだろう。当該商品が「無」糖だったのも示唆的だ(という無なコメント)。