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【大学野球】東京六大学が開幕 「感謝」を胸に立つ神宮

週刊ベースボールONLINE

日常への感謝



東京六大学野球連盟・日野理事長[早稲田大学野球部部長]が開会式で「開会のあいさつ」をした[写真=矢野寿明]

【4月13日】東京六大学リーグ戦(神宮)

 東京六大学リーグ戦が4月13日、神宮球場で開幕した。開会式における「開会あいさつ」は心に響くものだった。6校持ち回りで、2024年度の当番校は早大である。早稲田大学野球部の部長である日野愛郎理事長は6校の学生たちに、日常への感謝を語りかけた。

「春のリーグ戦は、昨年と同じように開幕します。『昨年と同じように』ということが、いかにありがたいか、私たちはここ数年、学んできたと思います」

 そこで、コロナ禍をあらためて振り返った。

「新型コロナウイルス感染症の広がりを見せた2020年春のリーグ戦は夏開催(8月。各校5試合の勝率制)で行われました。2021年までは土、日限定(各校10試合のポイント制)でリーグ戦が行われました。翌22年は勝ち点制(2勝先勝)が復活しました。昨年、23年は応援席が復活し、声を出しての応援ができるようになりました。そして、24年はコロナ禍以降初めて、何かが復活するわけではなく、昨年と同様に、いつも通りにリーグ戦が始まります。『いつもと同じ』がいかに尊いことか、いかに当たり前のことではないことか、いかにありがたいことかを、今日、開幕を迎えるにあたり、あらためて感じます」

 さらに、最上級生への思いは熱くなる。

「今年の4年生は、高校3年生のときに春の大会、夏の大会がありませんでした。これから高校3年間の集大成というときに、その舞台を奪われてしまいました。普段どおりに野球ができるのは、当たり前ではない。思う存分、学生野球をまっとうしてください。3年生以下の皆さんも4年生の思いを一つにし、天皇杯を勝ち取るべく、日々の練習の成果を発揮してください。1月に起こった能登半島地震により、普段の生活が変わり、野球をする環境を失った方がおられます。普段通りに野球ができることを改めて感じて、リーグ戦の舞台に臨んでほしいと思います」


慶大・本間主将が選手宣誓。約70秒、ハキハキとした口調で、心に響く文言だった[写真=矢野寿明]

 選手宣誓では前季優勝校の慶大・本間颯太朗主将(4年・慶應義塾高)が、能登半島地震の被災地へ向けたメッセージを込めた。

「私たちの、1球に全力を注ぐ姿が力となり、1日でも早く、復興の一助になることを願っています。今、ここにいる仲間とともに精いっぱい、全力で戦い抜くことを誓います」

 目の前の1試合は、多くの人が携わっている。日野理事長は「開会あいさつ」で連盟関係者、応援団・応援部・応援指導部、審判員、公式記録員、報道関係者、神宮のファン、全国の東京六大学野球ファンの支援に頭を下げた。学生は「感謝」を胸に、神宮に立つ。当然にことだが、忘れてはいけない二文字である。
 
   

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