Appare!、「VS武道館 其の二」チケット完売で井上苑子が手がけた新曲を初披露！「日本武道館に向かって走り続けます」

4月7日にAppare!が渋谷WWWにて「VS武道館 其の二」を開催した。「VS 武道館」と題した今回のライブはその武道館に向けた単独公演企画となっており、毎公演ごとにキャパを上げていき、公演のチケットが完売すれば新曲を披露することができるという特典が付いている。

『VS武道館 其の二』の舞台袖で円陣を組むAppare!メンバー

3月23日にSpotify O-Crestにて開催された「VS武道館 其の一」を見事完売で迎え、日本武道館公演に向けて幸先いいスタートを切った彼女たち。前回よりもキャパが広くなった「VS武道館 其の二」だが、今回も完売となり、会場には多くのファンが駆けつけた。

SEとともに会場からは大きな歓声に包まれ、ステージに姿を現した7人。観客を見つめる視線はいつもよりも凛々しく、自信に満ち溢れているようにも見えた。幕開けするやいなや、イントロから大きな歓声が上がった「I YOU WE OUR」でパワフルなパフォーマンスを届ける。続く「スカイラインファンファーレ！」では藍井すずが「今日はたくさん楽しんで行こう！」と会場を煽り、序盤から会場を熱狂の渦で包み込むと、「WaiWaiダンスフィーバー」ではファンも曲に合わせてダンスを踊り、さながらダンスフロアの雰囲気に。「アイネクライネ幼き恋だね」ではキュートな歌声とダンスを披露し、会場からは大きなコールが響き渡り、Appare!らしいファンと一体感のあるライブ空間を作り上げていく。

藍井が「『VS武道館 其の二』盛り上がってますか〜！声出てますか〜？」と呼びかけ、恒例の自己紹介のコーナーへ。今回もチケットが完売したということで、新曲がお披露目されることが決定。朝比奈れいは「私が高校生の頃から大好きな井上苑子ちゃんの超かわいい新曲を披露しちゃいます！」と発表し、「推しはもちろんなんですけど、友達だったり家族だったり、好きな人だったり、皆さんの大切な人に当てはめていただけたら嬉しいです」とシンガーソングライターの井上苑子が作詞曲を手がけた新曲「好きだ、まじで！」を初披露。セリフ調の可愛らしいリリックには井上の作家性が表れているが、Appare!が歌うとまた違った感慨が帯びてくる。この先、Appare!のセットリストに新たな色を加えてくれる大切な楽曲となりそうだ。

「幽玄テリトリー」「ダフネ」「汽水ガール」と前回とは異なるセトリを披露した後は、ライブの定番曲となりつつある「未体験BeAlright!」をパフォーマンス。印象的だったのは会場が一体となったシンガロングだ。メンバーが拳を高らかに挙げると同時に、観客はメンバーの歌声に応えるように大きな声が響き渡る。その光景は本公演のハイライト言えるほど感動的だった。誰もが日本武道館という大きな会場で聴きたいと思ったことだろう。MCでは藍井が「泣いちゃった」、七瀬れあは「今まで始まってから一番みんなの声が聞こえた」と「未体験BeAlright!」のパフォーマンスを振り返った。

恋をテーマにしたキュートなポップチューン「超絶スーパーLOVE！」、メンバーの印象的なパフォーマンスも印象的なダンサブルなナンバー「キミだけのワンダーランド」を披露。「絶対猛信デイドリーマー」ではファンの掛け声も相まって、Appare!らしいエネルギッシュな空間が作られていく。そのままミディアムバラード「約束の続き」を披露し、メンバーのしっとりと歌い上げるソロパートがセンチメンタルなムードを演出する。アッパーチューンもバラードも歌いこなすAppare!の一人ひとりのポテンシャルの高さを改めて感じつつ、本編ラストに披露されたのは「Summer spit!」。やはりこの曲がなければAppare!のライブは締まらない。前回よりも力強いパフォーマンスで、日に日に進化しているのを感じる。

七瀬は「今日すごいみんなの声聞こえたね」とパフォーマンスを振り返ると、工藤のかが「VS武道館」恒例の玉ねぎをステージ袖から持って登場し、写真撮影が行われた。ここで橋本あみからお世話になったアーティストやアイドルとの対バン企画「＆武道館」の追加公演として、iLiFE!、高嶺のなでしこ、SILENT SIRENとの対バンライブの開催が発表。そしてメンバーがステージを捌けた後に、七瀬がステージの中央へと再登場し、恒例の手紙が読み上げられた。「8月16日の日本武道館公演は、あなたがいて完成します。Appare!の未来に皆さんが居てくれますように。いつか誰もが見つけてくれる一番星のようなアイドルを目指して、日本武道館に向かって走り続けます」という七瀬の言葉はとても力強いものだった。「VS武道館 其の三」ではどんなステージを見せてくれるのか、Appare!の快進撃を見届けたい。

取材・文＝川崎龍也　写真＝真島洸