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「入社式が最初で最後の出勤」入社2日で退職願を提出した新入社員。上司の正体がまさかの…

日刊SPA!

 街には初々しい新入社員があふれている。胸を膨らませている人もいれば、緊張している新入社員もいるだろう。入社してみて、「あれ? 想像と違う」と思うこともあるかもしれない。それは、迎え入れる側の“先輩”も同じで、ドキドキ、ソワソワするものだ。
 そんななかで、すぐに辞めてしまう新入社員もいる。今回は、“ある理由”から、すぐに退職に至った2人のエピソードを紹介する。

◆大学時代はガールズバーでアルバイトしていた

 鈴木真紀さん(仮名・20代)は、キャンパスライフの傍ら、地方都市の繁華街にあるガールズバーでアルバイトをしていた。気の合う友だちと出勤を合わせて週2日ほど働いていたという。

 ときを経て、大学4年生の春。いよいよ就職活動を開始することになった。

「なんとか授業とバイトを両立し、単位もギリギリ取れそうだったので、友だちと就職説明会に行きました。そのなかで唯一気になる会社があり、パンフレットと名刺をいただいてその日は帰宅しました」

 就職のため、ガールズバーでのバイトもあと数か月で終わりを迎えようとしていたころ、鈴木さんを指名した客がいた。

「40代くらいの男性でした。私は、ガールズバーでは基本的に焼酎を飲んでいましたが、その日は指名してくれたということもあり、その男性に飲み物を選んでもらいました。『モヒートを一緒に飲みたい』と言われたので、2人で頼んだんです」

 そこで“事件”が起きる。

◆気持ち悪い男性客とまさかの再会

 鈴木さんがモヒートを飲んでいると、その男性が突然、「ライム食べないの? ビタミン摂れるのに」と言い出し、鈴木さんのグラスのなかから素手でライムを取り、食べ始めたのだ。あまりの衝撃に固まってしまったという鈴木さん。

「その男性は食べたライムを私のグラスのなかに戻したんです。そして、『あと少し残ってるから、飲みなよ~』と……。さすがに気持ち悪すぎて、男性のスタッフを呼びました。男性は厳重注意を受け、お店を後にしました」

 それから数か月後、鈴木さんは志望していた会社から内定をもらったとのこと。

「待ちに待った新社会人。私は希望に満ち溢れていました。入社式では、所属先が発表されました。新入社員は各ブロックにわかれて配属先の上司が待つテーブルに向かいました」

 鈴木さんは社会人としての未来に胸を膨らませていたのだが……。

「『よろしく』と握手した上司の顔を見た瞬間、血の気が引きました。それもそのはずです。その上司というのが、ガールズバーでライムを食べた、あの客だったんですよね」

 上司は気づいているのかわからなかったと鈴木さんは話すが、「何度か私を見ているなと感じた瞬間は、本当に気持ち悪かった」と振り返る。

◆入社して2日で退職願「入社式が最初で最後の出勤」

 その日は会社が用意したホテルに宿泊することになっていたという。「このまま黙って仕事を始めるのか」と部屋で1人考えた結果……。

「翌朝、自分のブロックの担当マネジャーに連絡して相談しました。正直に理由を話すと、ブロックの変更を提案してくれました。しかし会社の仕組み上、その彼とやりとりをしなければならないケースもあるようでした。ただ、やっぱり気まずいと思って……こんなかたちで終わらせてしまっていいのかとは思いましたけど」

 入社してから2日目、鈴木さんは退職願を書いて提出した。つまり、入社式が最初で最後の出勤日となってしまったのだ。

◆周囲からも好印象だった“会社員経験あり”の新人看護師

 看護師をしている花田曜子さん(仮名・30代)は、同じ部署に配属となった新人看護師のエピソードを教えてくれた。新人の彼女は当時26歳。高校を卒業した後は3年間ほど事務職を経験し、看護大学を経て看護師になったという。

 彼女が看護師を目指した理由は「将来を考えたときに事務職より看護師のほうがどこに行っても働けるから」だった。

 花田さんがいた部署はまず、“外回り”という業務から始まるそうだ。外回りは主に採血や点滴、バルン交換といった医療処置、検査の送迎、物品の補充などを行う。

「配属して最初の1か月は、患者さんを受け持たず病棟の雰囲気に慣れる目的です。私も彼女と組んだことがありますが、一生懸命メモを取っていて返事も明るく、周りのスタッフからも好印象でした」

◆「今日も休みます!」次第に遅刻・欠勤が増え始める

 彼女自身も「新しい仕事ばかりで覚えるのはとても大変ですが、患者さんと話もできるから楽しいです」と前向きに仕事に取り組んでいたという。

 しかし、入社2週間目から変化していく……。

「遅刻するようになり、徐々に休む日が増えました。仕事は8時半から開始となるのですが、だいたい8時15分に職場に電話がかかって来て、『体が動きません。今日も休みます』と言うんです」

 配属されてから3週間後には全く来なくなり、彼女の出勤簿欄はすべて欠勤になっていた。花田さんたちは「何か指導のやり方がいけなかったのか……」と心配していたが、結局、退職することになったそうだ。

 そして上司から「彼女は元々、体調を壊しやすいタイプだった」と告げられた。

「特に、春の季節は症状が重くなってしまうようでした。事務職をしていたときも同時期に休むことが多く、しょっちゅう欠勤していたと聞きました」と花田さんは話す。

◆「もう看護師はやりません」

 また、「人の排泄物を触るのが嫌なので、それ以外の仕事をさせてください」と、彼女が上司に申し出ていたことを耳にした。

「上司は『そこは看護師の基本だよ。特に病棟は必須。その仕事があるのを前提でここに就職したんじゃないの?』と思わず言ってしまったとのことでした」

 花田さんは、退職日に荷物を取りに来た彼女に会ったそうだが、笑顔で「お世話になりました。もう看護師はやりません」と放った言葉が印象的だったという。

 同僚たちは彼女の体調を心配しつつも、呆気に取られていたそうだ。

<取材・文/chimi86>

―[すぐに辞めた新入社員]―



【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
 
   

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