早希ちゃんというキャラクターは独特というか、生い立ちや過去にもちょっと複雑なところがあったので、そこは意識して演じました。早希ちゃんが、何でこんなに家族に執着するのかと考えた時に、1人っ子で小さな頃はたくさんの愛情を受けて育ったけど、途中からご両親の事情でいろいろと変わって、自分がしっかりしないといけない、大人にならないといけないと思って生きてきて…。でも竜太郎さんと出会うことで、本当の自分に戻れるというか、自分が理想としていた家族だんらんを追い求めながらも、ちゃんとリアルな家族に出会えたということだと思います。
-最後に、観客に向けて、見どころも含めてアピールを。
一見、ちょっとファンタジー風に見えて、設定にびっくりするかもしれませんが、家族の温かさも、難しさも描かれているので、この映画を見て、自分の家族っていいとこあるなとか、実はあの人はこういうふうに見えないところで頑張ってくれていたのかなとか、気付くことがたくさんあると思います。すごく心が温まる映画になっているので、笑って、泣いて、ほっこりしていただければと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)