top_line

「エンタメウィーク」サービス終了のお知らせ

中条あやみが思う家族団欒は「知らない人がうちのご飯を食べている」

日刊SPA!

4月19日から全国公開される映画『あまろっく』で、江口のりことW主演を務める中条あやみ。町工場を経営する65歳の近松竜太郎(笑福亭鶴瓶)と結婚し、リストラで無職になった39歳の娘・優子(江口のりこ)を持つことになる20歳の女性・早希を演じている。
ドラマやファッションショーなどで見せるクールな表情とは打って変わって、兵庫県・尼崎を舞台にした本作では大阪生まれの彼女らしい、朗らかで屈託のない笑顔が自然で印象的だ。

◆「個性が強い家族」に共感する部分も

――今回の作品で中条さんが感じた近松家の魅力を教えて下さい。

中条 「本当にそんな家族って成り立つのだろうか?」と感じるような一見ファンタジーな家族設定ですよね。ただ、この物語を演じるにあたって自分自身が違和感を持ってしまうとリアルではなくなってしまうなと。変な話、それが普通なんだと言い聞かせて演じました。とは言え、私自身も父がイギリス人だったり、姉とひと回り離れていたり、“普通”とはまたちょっと違う、個性が強い家族なので、近いというか共感できる部分もありました。

でも、なにより鶴瓶さん、江口さんと一緒にいることでこの物語をリアルに演じられたと思うし、この二人じゃないと出来なかった作品だと思います。

――関西出身の中条さんにとって、リアルという部分では全編、尼崎での撮影というのも大きかったのではないですか。

中条 はい。近松家のシーンは街中の一軒家をお借りして撮影したんですが、撮影でも使わせていただいた家の近くの喫茶店に、お昼になったらみんなでご飯を食べに行ったりしてました。ほかにも休憩時間に鶴瓶さんが声をかけて近くの神社に散歩に行ったりして。そうやって街を探索していたので、その街に生きている感じがしました。

――うまく言葉で表せませんが、関西って独特の“空気”がありますよね。

中条 東京とは全然違います。ひと昔前の……それこそ近所のおっちゃんが子どもを育てるじゃないけど、街全体が子どもを見守って育てる感覚みたいなものが、より強いなって思います。それは大阪に帰るたびに感じますね。人との距離はちょっと近いなって。

◆自分で人生を楽しい方に変えていきたい

――劇中で竜太郎が言う「人生に起こることは何でも楽しまな!」という言葉についてはどう思いますか。

中条 竜太郎さんのこの言葉の裏には阪神・淡路大震災(1995年)での経験があるのですが、自分が生き残ったからには……というところから出てきたと思うんです。

私は震災の後に関西で生まれているので(1997年)そこまでの経験はないですけど、生きていく上で大変なことって誰にでもあると思っていて。壁にぶつかったり、越えられないと思う場面が訪れたり……。震災のような大きな出来事はまた別ですが、でも、そこで誰かのせいにしても、ずっと正解はないと思うんです。

――自分の考えにいつまでも縛られてしまいますよね。

中条 そう。たとえば誰かに傷つけられたとして、相手に謝って欲しいわけでも、同じ気持ちになって欲しいわけでもないんですよね。誰かに期待しすぎるのではなく、自分で人生を楽しい方に変えていかないといけないな、って最近すごく感じます。「楽しまな」というのもありますけど、「楽しい方に変えていかないと」という気持ちのほうが私の中ではあります。

◆「家族団欒=知らない人がうちのご飯を食べている」

――早希は必ず家族一緒にご飯を食べる「家族団欒」というものにこだわっていましたが、中条さんのイメージにある「家族団欒」は?

中条 人それぞれだと思いますが、私の実家はもともとオープンなこともあって、ホームパーティーをよく開いていたんですよ。なので「家族団欒」というと「知らない人がうちのご飯を食べている」っていう印象があります(笑)。

――でも、家に人がいるだけで暖かい雰囲気にはなりますよね。

中条 とりあえずにぎやかで暖かい雰囲気なんですけど、子どもの頃はその様子を観察しながら、勝手なことをしている人とかを見て「こういう大人になっちゃいけないんだな」って学んでました(笑)。

――大阪滞在中は、ご実家に帰られましたか?

はい、撮影期間中は大阪の実家に泊まれたので、時間があるときには母と銭湯に行って、大阪の街を堪能してました。

◆仕事のやりがいを感じられるようになりました

――SPA!には2020年以来、4年ぶりの登場となりました。その間、『ゴチになります!』レギュラー、『君と世界が終わる日に』『TOKYO MER~走る緊急救命室~』と大きく飛躍されたと思いますが、そんなご自身の4年間の歩みを振り返ってもらえますか。

中条 この仕事をやっていく上でのやりがいみたいなものをすごく感じることが多かったです。自分が出た作品だったり、「(作品を)見たよ」とか「あやみちゃんみたいな人になりたいです」とか、たくさん声をかけてもらったりっていうのを含め、「やってきてよかったな」という思いを感じる機会がたくさんありました。それが自信にもなりましたけど、一方で、その時点での自分の限界もたくさん見たというか。

――どういうことでしょう。

中条 「これ以上は無理!」っていうくらいの場面もあったので、ものすごいプレッシャーでした。でも、それらのおかげで自分が強く、タフになりました。

――ちなみに、その限界は越えられたんですか?

中条 越え……ざるを得ませんでした(笑)。でも、その先には見たことのなかった景色があったので、やってて良かったなと改めて思いました。

――俳優としても人間としてもひと回り、ふた回り大きくなったと。

中条 一気に、ですけど。実感としては。

◆わんぱくな男の子みたい

――以前、SPA!で取材したときには「(自分の)中身は小5男子」と言ってましたが、そこはもうさすがに……。

中条 いやいやいや。そこは何も変わらなくて。江口さんにも「わんぱくな男の子みたいだな」って言われました。人はそんな簡単に変わらないです(笑)。思い描いていた27歳の大人とは全然違う自分がいて「あれ?」とは思ってます。

――苦手だったお菓子作りは上達しましたか?

中条 いえ……もはやチャレンジしようとすら思ってません(笑)。

――昔から「サラリーマン川柳」(※現在は「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」にリニューアル)がお好きなんですよね。

中条 好きです。心の叫びというか、頑張っているサラリーマンの方ってめちゃくちゃ健気だし、日本を支えてくれているなって思います。すごい素敵な存在というか。飲み屋で楽しそうに話している姿とか見るといいなって。

私自身、銭湯やサウナも相変わらず好きだし、ちょっとした小さな幸せを見つけたいっていう気持ちは今でも変わらずあります。

◆桜の季節になると必ず行く場所がある

――映画が4月公開ということで、春は好きですか?

中条 立春(2月4日)に生まれているので、縁は感じますね。この仕事を始めた10代の頃から毎年、桜の季節になると同じ場所に行って桜を観てるんです。だから春になると「あ、あそこに行かなきゃ」っていつも思います。

――食べ物はどうでしょう。

中条 私、和菓子派なので、桜餅とかよもぎ餅とか、春の和菓子、好きです。

――暖かくなって始めたいことはありますか。

中条 今、気になっているのは語学です。中国語に興味があって。発音が好きで、よく行く台湾式マッサージのおばちゃんに日常会話で使える中国語を教えてもらってます。

心洗われる飾らなさ。まるで少年のようなやんちゃな笑顔が、これからもたくさんの人の心をとらえて離さないだろう。

【中条あやみ】
’97年、大阪府生まれ。’11年『Seventeen』専属モデルとしてデビュー。’12年に女優デビュー。主な代表作は『ニセコイ』『雪の華』『白衣の戦士!』『閻魔堂沙羅の推理奇譚』『水上のフライト』『君と世界が終わる日に』『TOKYO MER~走る緊急救命室~』など。最新主演映画『あまろっく』は4月19日から全国公開

<撮影/唐木貴央 取材・文/中村裕一 ヘアメイク/山口朋子(TOMOKO YAMAGUCHI) /HITOME スタイリング/倉田強(TSUYOSHI KURATA)撮影協力/バックグラウンズ ファクトリー>



【中村裕一】
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter
 
   

ランキング(エンタメ)

ジャンル