top_line

あなたの語彙力が試される!
無料ゲーム「ワードパズル」で遊ぼう

大人気の投資塾講師が「日経平均10万円」と強気予測する根拠とは。10倍株を探す「四季報読破」のコツも伝授

日刊SPA!

株式投資熱が高まる中で、会社員から主婦までこぞって通う人気の投資スクール「複眼経済塾」。その立ち上げメンバーにして取締役であるのが、瀧澤信氏だ。野村證券などを経た経験に基づくわかりやすい解説と軽妙な語り口で講師としての評価も高く、さまざまなメディアへの出演も多くこなす人気講師になっている。
そんな瀧澤氏は「日本株はまだまだ伸びるし、そのとき10倍になる株も多く出てくる」と力強く語る。そう断言できる理由とともに、テンバガー達成のためのヒントを瀧澤氏直々に伝授してもらった。今回はまず、日本株全体の行方や、10倍株を探す「武器」になる会社四季報を読むコツを解説する。(記事は全3回の1回目)

◆海外の著名ヘッジファンドによる、気になる動き

投資家なら一度は経験したいテンバガー(10倍株)。今後も10倍になったり大化けするような銘柄は引き続き出るでしょうし、むしろこれまでより多くなるかもしれません。そう考える理由をお伝えしたいと思います。

10倍株が増えるかもしれないと考える大きな理由は、日本株全体の成長はまだ当面続くと考えているからです。最近、聞いた話では、海外の著名ファンドが大手町周辺のオフィスを先にフロアごと借りて、その後、金融機関などから即戦力のファンドマネージャーやアナリストをヘッドハントしているという話を耳にしました。人を採用する前に場所をおさえるほどですから、それだけ日本市場が魅力的に映っているということです。

なぜ、彼らがそれほどまでに日本株に勝機を感じているのか。それは、日本株は海外からの評価がまだ追いついていないためです。順当に日本企業の実力が評価されることだけでも株価は上がるでしょう。

◆テスラとトヨタの株価の差は妥当なのか?

その前兆はすでに今年に入って見え始めています。例えば、テスラの時価総額は、つい昨年までトヨタの約3倍でした。実際の販売台数ではトヨタが世界トップの約1,000万台なのに対し、テスラは約180万台。たった5分の1の規模であるにも関わらず、なぜかテスラのほうが実力を高く評価され、「マグニフィセント7」の一角として世界中からもてはやされていたのです。

もちろん、テスラは電気自動車(EV)に限った台数とはいえ、本当にこの株価ほどの企業価値の差があったのでしょうか? 日本を代表するトヨタですら、これまで相対的に過小評価されてきた証拠と言っていいでしょう。

ただ、2024年に入り急速にトヨタ株は上昇、他方テスラ株は急落しており、この時価総額の差はこれまで3倍だったものが足元の4月上旬現在では1.3倍にまで急速に縮まりました。EVの急失速という個別の背景があるとはいえ、テスラを売りトヨタを買う、という大きな流れ、すなわち買われすぎた米国株から過小評価されてきた日本株へ投資の軸足をシフトしはじめた海外の投資家の動きが背景にはあったことは想像に難くありません。

世界的に日本企業の本当の実力がいよいよ評価される時代に入ったことを示唆していると言っていいでしょう。そう考えると、外国人投資家の買い圧力は当面は続くはずで、日本株はまだまだ伸び代があると思います。

◆10年後には「日経平均10万円」の時代が来る

また、日経平均の株価推移には、世界大恐慌時のNYダウとの類似性が見てとれることも興味深いと思います。

過去の歴史を振り返った時、株式市場で日本のバブル崩壊に匹敵する下落を経験したのは、1929年世界大恐慌をきっかけに暴落した「ブラック・サーズデー」しかありません。この時、NYダウは1929年9月に取引期間中の最高値386.10ドルを付けた後、1932年6月の最安値42.31ドルまで約3年間かけて▲89%下落しました。

一方、日本のバブル崩壊は、1989年12月に取引期間中の最高値38,957.44円を付けてから、2003年4月の最安値7,606.69円まで同じく約3年間で▲80%下落しました。さらににその後、ITバブルを経て日経平均は2009年3月にバブル後最安値の7,021.28円とピークから▲82%下落となりました。

約8割の下落を経験した2つの大暴落には、その後の回復軌道に奇妙な一致が見られます。実は、おおよそ最安値を記録した時点から約14年後に、NYダウも日経平均も約4倍の回復で一致します。日米の株式市場が大暴落後の回復軌道で酷似しているのは、興味深いことです。

もし日経平均の回復軌道がこの後も当時のNYダウの回復軌道を辿ると仮定するとどうなるか? その前提で試算すると、日経平均は5年以内に5万円、10年以内に10万円、20年以内に15万円、という水準が、実は導き出されてきます。

もちろん、この計算は当時のインフレ等の経済環境を考慮せずに単純比較したものですから、その通りになると言い切れるものではありません。ただ、実際に過去経験した株式市場の回復実績であることも事実です。足元では日本企業が世界的に再評価され始めている状況も踏まえれば、当時のNYダウと同じく「10年後に日経平均が10万円」になっていてもまったく不思議ではありません。

◆10倍株を探す武器は「会社四季報」以外ありえない

大きく伸びる期待が持てる銘柄を探すために、「会社四季報」はとても参考になります。私は最新号が出たら毎回すぐに読み込み、だいたい興味を引く100銘柄ほどを選ぶので、読破した後には付箋だらけになっています(笑)。そこから実際に投資する候補を厳選した25銘柄に絞り込みます。

私が四季報を読む際に注目すべきポイントは4つ。1点目は売上高と営業利益の推移です。業績が将来に向けて継続して20%ほど成長する見通しがあるものや、現状は赤字でも黒字転換の予測が立っていれば見込みはあります。

2点目は記者のコメント欄。海外展開や新規事業などの成長が期待できる内容があれば説得力アリ。この欄は四季報の記者が取材して書いており、客観的な目線でその企業の良し悪しを計り知ることができる点も参考にしやすいです。

3点目は、社長を含む経営陣が大株主になっているかという点。私のこれまでの経験上、経営者がオーナーの企業のほうがベンチャー意識が高く、会社を伸ばそうという意欲があり、株価の上昇にもつながりやすいです。

4点目は、指標となるPERやPBRと、「PEGレシオ」という数値。PEGレシオは、PERを2期の営業利益の平均増益率で割って算出する数値(複眼経済塾での求め方)です。仮にPERが20倍を超え、割高に見える銘柄でもPEGレシオが1倍を割り込むことも少なくありません。成長を加味した数値も含めて指標としています。

まずはこれら4つのポイントの内容がよく、今後も成長するであろう企業の銘柄をチェックすることが第一歩。加えて、会社の規模は小さめのほうがこれからの伸び代が大きいため、10倍を狙うなら時価総額は300億円以下の中小型株であることも重要です。これらの条件が揃う銘柄なら10倍株を達成できる可能性も高まるでしょう。(全3回/1回目)

<取材・構成/松嶋三郎>

―[資産[10倍]にする投資術]―



【「複眼経済塾」講師 瀧澤信】
明治生命、野村證券などを経て㈱サステイナブル・インベスターを起業。富裕層の資産運用などを手がける。Xは@takizawashin
 
   

ランキング(エンタメ)

ジャンル