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ファーストサマーウイカは“同期”にいてほしい俳優 『光る君へ』清少納言も納得の抜擢

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『光る君へ』写真提供=NHK

 NHK大河ドラマ『光る君へ』で主人公のまひろ/紫式部(吉高由里子)とは対照的に勝気で、向上心旺盛なききょう/清少納言を演じるファーストサマーウイカ。若き日の紫式部と清少納言といっても、まひろが後に仕えることになるまだ彰子は幼く、ききょうが仕えることになる定子(高畑充希)は一条天皇(柊木陽太)に入内したばかり。

参考:ファーストサマーウイカはいつから”俳優”だったのか 劇団時代から培ってきた才能が開花

 藤原道長(柄本佑)とのすれ違いや、父・藤原為時(岸谷五朗)が官職を得られないために家がどんどん貧しくなって困窮していることなど、まひろには悩みが尽きない。何かと壁にぶつかり、思い悩むまひろに対して、ききょうは自分のやりたいことにまっすぐに向かっていく。そんな才気煥発なききょう役でファーストサマーウイカが精彩を放っている。

 第6回「二人の才女」では、藤原道隆(井浦新)が妻の貴子(板谷由夏)の助言で開いた漢詩の会にまひろとききょうもそれぞれ父に連れられて参加していた。まひろは遅れて出席した道長が気になって集中できずにいたが、物怖じしない利発なききょうは、博識を堂々と披露。発言した後も得意満面で、講師を務めていた父親の清原元輔(大森博史)が恐縮してききょうに注意を促すほど。

 観ていて清々しいほど、自分の気持ちに正直な女性としてききょうは存在している。周囲から(とくに平安貴族の優秀な殿方やライバルから)は「なまいきだ」「得意気な顔で賢いことをひけらかして」などと言われるのも承知の上。むしろ彼女のことだから、悪口も自分への嫉妬によるものと受け取り、嫌味も称賛ゆえと解釈していたに違いない。

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 ファーストサマーウイカ自身、バラエティ番組に出演する際は出身の大阪のことばでサラリと毒舌を吐いたりするが、表情も口調も明るく、爽やかな笑顔の余韻が残る。本作で平安時代中期の歌人の娘を演じながら、話題となったドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)では、テレビ局のプロデューサー役を好演。1986年から2024年にタイムスリップした昭和のおじさん、小川市郎(阿部サダヲ)がカウンセラーを務めるEBSテレビで渚(仲里依紗)の同期の羽村由貴を演じ、憧れの大物脚本家の江面賢太郎(池田成志)とのドラマ作りの悩みをどうにか解決しようと頑張っていた。

 同期の渚とのやりとりにしても、リモート会議の進め方にしても存在感を発揮しつつ、妙に自然体。脚本家への対応、仕事ぶりも率直に感想を伝えつつ、流れも完璧に把握しているという有能さが際立った。とくに物怖じせず、好悪はっきりしているところは清少納言のキャラクターを想起させるものがあった。

 第14回「星落ちてなお」の予告には、まひろとききょうが向き合っている場面がある。まひろは、父に代わり女房として働こうとしたが、女房では雇ってもらえず、下女としてなら雇うと言われるが、下女ではまひろのプライドが許さない。貧しい少女に文字を教えるようにはなったが、これといって収入はない。

 ききょうもまひろと同様に自分の才能に見合う仕事がしたいと思っているはずで、まだ生涯の“推し”となる定子とは出会っていない。まひろよりも、ききょうは女房としても先輩で遠慮がちなまひろと違って、新しい環境に飛び込んでいくことも厭わないだろう。ききょうが清少納言として、キラキラ輝く定子との世界を築いていくのが楽しみだ。

(文=池沢奈々見)

 
   

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