top_line

あなたの語彙力が試される!
無料ゲーム「ワードパズル」で遊ぼう

「日本のトイレツアー参加すべき」海外メディアも推奨 注目される独特トイレ文化

NewSphere


 訪日経験者が増えるにつれて、海外で話題に上ることも増えたのが日本のトイレだ。西洋のトイレとは異次元に見える日本のトイレ。最近ではデザインに凝った公共トイレも少なからず作られている。これに注目した東京都渋谷区観光協会は、先月からトイレツアー「THE TOKYO TOILET SHUTTLE TOUR」を開催し、フランスのメディアもこれを肯定的に紹介している。

◆難しすぎる水の流し方
 日本のトイレは、なんといっても外国人にとっては使い方が明白ではない。都会ではめっきり見なくなった和式の便器の話ではなく、温水洗浄便座つき洋式トイレの話だ。まず座ると温かいということに誰もが一様に驚く。これは嬉しい驚きだ。だが、用を足した後は、はたと考え込む。スイッチらしきものはたくさんあるが、一体どこを押せば水が流れるのかまったく見当がつかないからだ。なかには、温水洗浄便座の存在自体知らない人もおり、とりあえず目につくスイッチを押してひどい目に遭ったという失敗談も少なくない。

 そのため、これまでも旅行サイトなどでは、日本の温水洗浄便座つきトイレの使用方法が幾度となく取り上げられている。『ファシナン・ジャポン』の写真つき説明記事には、「素晴らしい記事に感謝!(中略)私も初めて日本のトイレを使った時は、水の流し方がわかるまで、少なくとも15分費やしました! この記事は日本旅行に行く多くの人の助けになるに違いありません」といったコメントが寄せられている。

◆清潔さと快適さ
 使い方さえ分かれば、西洋の公共トイレとは比べ物にならない清潔さと快適さを体験できるのが日本のトイレ。いまではそれが外国人旅行客の共通認識となっている。

 温水洗浄便座の代名詞のように使われる「ウォッシュレット」を開発したTOTOは2015年、創立100周年記念事業の一環として、北九州市に日本のトイレの歴史などを紹介するTOTOミュージアムを開設した。このTOTOミュージアムもフランスの複数の旅行サイトで紹介されており、高評価を得ている。ちなみにトリップアドバイザー上の評価も、5点中4.5点と高いものだ。

◆ウィキペディアに個別ページも
 日本で暮らしていると、海外から見て、日本の事物がどれほど特異であるか気がつかないことが多い。日常的に接するものであればなおさらだ。誰でも毎日使うトイレは、海外からなかなか注目されているのだ。

広告の後にも続きます

 ウィキペディアには「日本のトイレ」という項目が存在し、日本語も含め29ヶ国語で紹介されている。「中国のトイレ」や「フランスのトイレ」「アメリカのトイレ」などという項目は存在しないにもかかわらず、である。

 こういう背景を考えれば、渋谷区が始めたトイレツアーをフランスメディアが即刻紹介したのも頷けるだろう。記事には、「もし東京で3時間ばかりの自由時間と、30ユーロ(約5000円)があれば、このツアーに参加すべき」(フランス・アンフォ)と推奨されている。

◆内側からは見えない日本
 日本を訪れる外国人は、コロナ禍で一時期途絶えたものの、相変わらず増加傾向にある。日本が全面的に国境を開いたのは昨年の4月に入ってからだったが、それでも昨年1年間で日本を訪れた外国人数は2500万人に上った。外国人観光客の増加により、オーバーツーリズム問題も再燃しているが、彼らが外から日本を見る視点は、内にいる私たちには気づけない示唆をもたらしてくれる可能性を秘めている。

 
   

ランキング

ジャンル