そうですね。僕自身もだんだんと慣れてくると、今日正直面倒臭いなとか、15分のために自宅から1時間半かけてとか思うじゃないですか(笑)。でも、なんだかんだ漫才やって終わった時、とても元気になる感じがやっぱりすごくあるんですよね。不思議と。それは浅草の街なのか東洋館の舞台なのか、どっちかなんだろうなということは感じます。
―それぞれの芸人さんがとてつもないドラマを持っていて、かなり癖が強い人もいますが、どういう基準で選ばれたのでしょうか?
本当に離婚してまだ漫才やっている人いないですからね(笑)。ちょっと異例ではあるのですが、ただ、映画やドキュメンタリーにする時に、やっぱり非日常的な人じゃないと観ている人にそんなにインパクトが残らないだろうなと。そういう商業的な考えは、ちょっとありましたね。
―この映画を作る上で、監督や編集、それこそ企画の段階から携わっていらっしゃると思いますが、苦労した点はどういうところでしょうか?
漫才協会の映画ってなんなんだよっていうところから始まってるので。何をどうしたらいいんだっていうところですよね。構想段階でまったくまとまらなくて、最後にようやくなんとか形になったって感じでしたね。最初は、インタビュー映画にしようと思っていたんですよ。でも、それだけだと映画にならないから、漫才協会そのものの宣伝の映画にしましょうかってなって、そういう感じに落ち着いた感じですかね。
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―劇中には芸人さんたちが発する言葉に心奪われる瞬間もありましたが、観る人にはどういうことを感じてほしいでしょうか?
ネタをしている時以外の芸人たちの裏側を見せるということで、たとえば人間関係などで悩んでいる人がいたら、何かひとつ参考にしてもらいたいなと思うことはあります。ホームランのタニシさんがすごくいいことを言っていて、「『ウケた時は相方の手柄で、滑った時はお前の責任だ』と最初に師匠から教えてもらったから、僕たちは仲良くできました」って言うんですよ。これって生きていく上でね、すごく大事なことだなと。僕はタニシさんのこの言葉にすごく感動しましたし、映画を観ている人も何かしら響く言葉はあるのかなと思います。
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