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幾田りら&あの【Pick up Interview】

アッププラスオンライン



傑作漫画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』をアニメ映画として、この春、前後編2章立てで劇場公開♪
そのメインキャストに決定した、今一番“熱い”ふたりがそろって『アッププラス』初登場★

観終わって作品の一部になれたことを実感


共感性の高いストーリーと圧倒的な画力、独自の世界観でコミック通を魅了し続ける漫画家・浅野いにおの真骨頂『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』。突如、東京上空に宇宙から巨大な<母艦>が来襲した世界で青春を謳歌する女子高校生たちの物語で、唯一無二の親友同士を演じる幾田りらさんとあのさん。

幾田
小山門出は特徴があるというよりは、素朴などこにでもいるような女子高校生。でも、誰にでも同じではなく、相手によって自分の発言や振る舞いをどうするか考えて変える子なのかなと思ったので、演じ分けは意識しました。実際の私も相手に合わせてバランス取るタイプなので、演じるうちにどんどん門出が自分と重なってきて、心の中を想像できるようになっていきました。

あの
中川鳳蘭(おんたん)にとっては門出が絶対的に大切な存在で『それ以外の人にどう思われたっていい』と思っている感覚は、僕も自分をわかってくれる人が大切なのでシンパシーを感じました。早口でダーッとしゃべるシーンが多かったのですが、ただうるさいだけにならないように強弱をつけたり〝間〞を考えたり、神経をつかって声を発しました」

声優経験は、幾田さんは2回目で、あのさんは初。それぞれの役柄を分析して挑んだアフレコの完成作品を観てどう感じたのか。

幾田
ストーリーの展開はわかっているはずなのに、出来上がった作品を観てドキドキハラハラ、キュンキュンしました。そして『デデデデ』の作品の一部になれたんだな、と実感しました。

あの
動いているアニメーションに自分の声が聞こえてきて、自分の声だけど、ちゃんとおんたんとして存在している感じがして、僕も感動しました。


フィーリングが合うからふたりの絆を演じ切れた


劇中には好きなシーンが「たくさんある」と声をそろえるふたり。 その中でも、特に印象的なシーンやセリフは?

幾田
おんたんと取っ組み合いのようなケンカになるシーンがあるんですが、あのちゃんのおんたんでよかったなと思いました。門出とおんたんのやり取りが大切な作品だからこそ、ふたりの〝間〞がうまく表現できたことで、門出を演じることに向きあえましたし、自信にもなりました。

あの
ケンカのシーンは緊張感もあり、おんたんと門出の感情の起伏も激しかったので難しいシーンでした。でもそこまで手こずらずにできたのは、フィーリングが合っていたんだろうなと思っています。ほかに印象に残っているのは、おんたんと門出と仲良し女子高校生グループの栗原キホの言葉。ネット情報に左右される彼氏に『ネットって誰?』と詰め寄るシーンがあるんですが、そのシーンは刺さりましたね。僕自身はそのシー ンを観て『世界が終わるとき何を大切にするんだろう?』と考えさせられました。

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の前章は3月22日から、約1か月後の4月19日から後章が公開。前章主題歌は、ano feat. 幾田りらの『絶絶 絶絶対聖域』、後章主題歌は、幾田りら feat. anoによる『青春謳歌』に決定している。

あの
前章の主題歌ということで、ストーリーがどんどん展開して世界が崩壊して、次につなげるという役目もあったので、〝デストラクション〞をテーマにその言葉をキーに作りました。あとは、おんたんと門出がよく使う言葉だったり、ゲームに出てくる単語だったり、『デデデデ』ならではの言葉遊びを楽しみながらつなげていきました。 終わっていく世界であっても、 誰かの悪口を言っているくらいの平凡さが続いていればいいな、という思いを込めています。

幾田
後章の主題歌ということで、自分が映画館で映画を観た後やマンガを読み終わったとき、どんな音楽が聴こえてきて欲しいかを考えました。最初に浮かんできたのは、ふたりの関係がいつまでもどんな状況でも続いていくということ。くだらない会話だったり、そんな日常が続いて欲しいという思いだったりが一番にあって、サウンドや歌詞もそこを意識しました。

できあがった作品を自身で観て感じたこともある。

美夏は目が不自由なので、撮影中は相手の顔を見ないで、視線を落としていることが多かったんです。
なので、できあがった作品で山田さんの表情を見て、また苦しくなりました。
『こんな目で美夏を見てくれていたんだ』と。
笑顔の少ない美夏ですが、大学の非常勤講師の北村悠真(野村周平)とピアノの連弾をするシーンだけは本当に楽しそうな笑顔だったのが、自分でも印象的でした。

美夏のファッションやメイクにも、音大生らしさを表現する細かい設定がある。

ワンピース、襟付きのブラウス、小さ目のバッグなど音大生をイメージしたファッションになっています。
美夏は後天的に目が不自由になったので、上品なワンピースを着ているけれど、スニーカーをはいて大きなリュックで通学しています。
この服装のアンバランスさが、美夏の心のアンバランスさを表現している気がしています。
メイクは自分でするのが難しい、ということでほぼノーメイクで髪の毛も伸びかけ。
物語後半は少し変化していくので、注目していただければと思います。

 

2024年のスタートに公開される、この美しく静かなラブストーリー。多様化するラブストーリーの中でも「不思議な感覚のラブストーリー」と浜辺さん。

監督も出演者もスタッフさんも、みんなが新しい挑戦をした作品なので、ラブストーリーが好きな方はもちろん、映画が大好きという方にも興味を持っていただける作品になっていると思います。
新年が明けて少し落ち着いて、静かな気持ちになって冬を感じたい方にもおすすめです。
自分の心を取りつくろうことができないくらいの状況の中で、美夏と蒼の心がつながっていくのは、ふたりがピュアだからこそ。
そこに美しさを感じていただけると思います。

※本記事はアッププラス2024年3月号より一部抜粋して掲載しています



『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』
3/22より前章、4/19より後章が全国にて公開
【原作】浅野いにお「デッドデッドデーモンズデデデデデスト ラクション」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
【アニメーションディレクター】黒川智之
【声の出演】幾田りら、あの
【配給】ギャガ
東京で女子高校生ライフを送る、小こ 山やま門かど出で (幾田り ら)と“おんたん”こと中なかがわおうらん川鳳蘭(あの)。勉強に追われ つつ、毎晩オンラインゲームで盛り上がるふたりが 暮らす街の上空には、3年前の8月31日、突如宇宙 から出現し未曾有の事態を引き起こした巨大なが浮かんでいた。
©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee


いくた・りら
2000年9月25日生まれ、東京都出身。
シンガーソングライターとして活動。 2023年にアルバム『Sketch』をリリースし、自身初のワンマンツアーを成功させる。
さらに、 映画『アナログ』のインスパイアソング『With』 や、ドラマ『パリピ孔明』劇中歌『DREAMER』 の楽曲提供なども担当。


あの
9月4日生まれ。
タレントとしてバラエティ番組を始め、多数のテレビ番組に出演、ano 名義でミュージシャンとしても活動中。
2023 年は大ヒット曲『ちゅ、多様性。』などを含む 1stアルバム『猫猫吐吐』をリリース、映画 『鯨の骨』に出演、同名の主題歌も担当。


撮影/屋山和樹
スタイリング/神田百実
ヘア&メイク/YOUCA(幾田さん) UR(I あのさん)
取材・文/山西裕美(ヒストリアル)

 
   

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