充電の必要がなく50年間も発電し続けるという原子力電池。民生品としての原子力電池は、これが世界初となる
現在、不動産や金融などでの"バブル崩壊"が連日伝えられる中国。その一方、バブル真っただ中で世界のシェアを独占しつつある市場が! それがバッテリーをはじめとする蓄電池だ。圧倒的に強い中国の蓄電池技術、さらに突如登場した"謎の原子力電池"も紹介です!
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■原子力電池の開発企業には謎が多すぎ!?EV(電気自動車)や、それに関連する充電ステーションなどの給電インフラ、そして太陽光発電などの利用者が急増中の日本。だが実は、それらに使用される蓄電池関連の技術だけでなく、製品そのものも中国製が多いという。
そんな中、1月8日には中国のIT企業から”原子力電池を2025年に発売予定”という驚きのリリースも! 原子力電池のスペックから、近年の中国企業による蓄電池関連の大躍進っぷりを、中国IT関連に精通するジャーナリストの高口康太さんに解説してもらいます!
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中国の5角硬貨との比較。サイズは約15㎜×15㎜×5㎜で、一般的な腕時計に利用するボタン電池よりも小型だ
本体は放射性物質を含む数種類のユニットを組み合わせて構成
原子力電池の発売を発表した中国の「北京貝塔伏特新能科技有限公司(ベータボルトテクノロジー)」社のホームページには、原子力電池以外の主だったリリース、さらに詳細な活動内容もナシという謎多すぎな部分が……。その理由とは?
――まずは中国メーカーから発表された原子力電池についてお聞きします。これ、どんな用途に使われるのですか?
高口 原子力電池は1960年代から宇宙開発用として実用化され、人工衛星の電源供給用途として利用されていました。
医療部門でも心臓のペースメーカー用電源として研究されていた時期があります。宇宙開発に使われていた原子力電池の技術を転用し、スマホやドローンに内蔵できるサイズまで小型化したのが、今回中国メーカーが発表した製品です。