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『ブギウギ』スズ子のライバルとなるりつ子が本格登場 中山&秋山は微妙な“主従関係”に

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『ブギウギ』写真提供=NHK

 羽鳥善一(草彅剛)との出会いはまさに運命だった。彼が作曲した「ラッパと娘」で才能を大きく開花させ、“スウィングの女王”として梅丸楽劇団(UGD)の舞台に降臨したスズ子(趣里)。すっかり人気歌手となったスズ子はもう一人の運命の相手とついに対面を果たす。

参考:朝ドラ『ブギウギ』第32話、スズ子(趣里)の移籍話に羽鳥(草彅剛)が大反対

 『ブギウギ』(NHK総合)第7週初日の放送では、“スウィングの女王”であるスズ子と、“ブルースの女王”である茨田りつ子(菊地凛子)が出会った。

 UGDの旗揚げ公演から1年後の昭和14年(1939年)4月、スズ子は善一から作詞家の藤村薫(宮本亞門)を紹介される。スズ子の新しい曲を書いてもらうため、善一が呼んだのだった。開口一番、「恋人はいるのか?」とスズ子に尋ねる藤村。おそらく次の曲は恋の歌になるのだろう。それにしても初対面で恋愛事情について根掘り葉掘り聞いてくるデリカシーのなさにスズ子は驚くが、そこにもっと失礼な人がやってくる。りつ子だ。

 かつて、りつ子が歌う「別れのブルース」にいたく感銘を受けたスズ子。あくまでも憧れは大和礼子(蒼井優)だが、りつ子も尊敬する歌手の一人であることには間違いない。一方、りつ子は「ラッパと娘」を歌うスズ子を見て、下品だと感じた。あろうことか、その感想を本人に直接伝えるのだ。スズ子が鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていると、りつ子は追い討ちをかけるように「素顔はおいもさんみたいなお顔じゃない?」という言葉を投げかけてくる。第一印象は最悪。だが、やがては第1話の冒頭のように軽口を叩きながら支え合う良きライバルとなる。そこに至るまでどんなエピソードがあるのか、今後が楽しみだ。

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 また、第31話では恋に悩むスズ子と秋山(伊原六花)の姿も描かれた。相変わらず演出家の松永(新納慎也)とはおでこにキス止まりで進展のないスズ子に対し、秋山はダンサーの中山(小栗基裕)と舞台上のパートナー以上の関係に。それなのに秋山が浮かない表情をしているのは、中山から娘役を勧められたからだった。UGDの旗揚げ公演でのパフォーマンスで歓声を浴び、目を潤ませながら喜ぶ秋山の姿に思わず胸がときめいたという中山。その瞬間、男役よりも女役の方が秋山は輝くと確信し、自身の恋人にすることで彼女に娘役としての“芸の肥やし”を与えたのである。

 印象的なのは、その話を聞いたおでん屋の店主・伝蔵(坂田聡)の「輝くか輝かないかなんてな、てめえで決めることだろ。他人がうるせぇっつんだよ!」という言葉だ。全くその通りで、中山は秋山の意志を聞こうともしない。命令口調ではない穏やかな物言いだから分かりにくいが、結局は自身の思い通りに秋山をコントロールしているに過ぎない。加えて、もともと憧れのダンサーでもあった中山との関係には、すっかり主従関係が生まれてしまっていた。「背中をかいてくれないか」という中山からのお願いにだって、昔の秋山だったら「それくらい自分でかいたらどうですか」と返していただろう。高い理想を持ち、それを叶えるためなら先輩にも物怖じせず意見する。そんな秋山の良さが中山と一緒にいる限りは埋もれていってしまうように感じた。

 そこにきてUSKの林部長(橋本じゅん)からの、「(スズ子か秋山か)2人のうちどちらか1人に大阪に戻ってきてほしい」というお願い。一旦は断った2人だが、USKには自分を育ててくれた恩もある。そのうち、古巣が圧倒的スターの不在で窮地に追い込まれていくのを見て見ぬふりするわけにもいかなくなるはず。果たしてどちらが大阪に帰ることになるのか。それはスズ子と松永、秋山と中山の恋の行方次第だろう。
(文=苫とり子)

 
   

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