6月26日、福島第1原発にたまり続ける処理水を海洋放出する設備が完成。東京電力は工事完了を発表するとともに、設備を報道陣に公開した。「夏ごろ」の放出開始に向け、設備面での準備はほぼ整ったことになる。
政府は、2021年4月、第1原発で発生する汚染水に含まれる放射性物質を「ALPS(アルプス)」で取り除き、海洋放出する方針を決めた。ただ、技術的にトリチウムだけは取り除けないため、濃度を国の基準の40分の1(1リットルあたり1500ベクレル)未満まで海水で薄めた後、沖合に放出する。1年間の総放出量は22兆ベクレル以下に抑える計画だ。
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同日、韓国の革新系野党「正義党」の李貞味代表は、処理水放出に反対するため、ソウルの日本大使館前でハンストを始めた。韓国では最大野党「共に民主党」の一部議員も同じくハンストを実施している。
韓国では処理水が「汚染水」と呼ばれ、放出開始前から塩を買い占める動きが広がり、小売価格が急騰している。