食べたばかりなのに、もうお腹が空いた…。
「さっき食べたばかりなのにすぐお腹が空いて、また食べてしまった……」このような状況になると、ダイエットの妨げになったり、ストレスに感じてしまったりすることが多いですよね。
食べてもすぐにお腹がすいてしまうのには、実はさまざまな原因が考えられます。自分にあてはまる原因はないか、詳しく見ていきましょう。
食べてもすぐにお腹がすいてしまうのには、実はさまざまな原因が考えられます。自分にあてはまる原因はないか、詳しく見ていきましょう。
【原因】すぐにお腹が空くのはなぜ?
原因
食事量が足りていない
糖質の多い食事をしている
甘いものを食べ過ぎている
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たんぱく質が不足している
食物繊維が不足している
ホルモンバランスの乱れ
ストレスや睡眠不足
感情的摂食(=エモーショナルイーティング)
食事量が足りていない
すぐにお腹が空いてしまうのは、単純に食事量が足りていないことが考えられます。十分に食事が摂れていないと、血糖値が正常よりも低下し強い空腹感をおぼえる場合があります。
ダイエット中で食事量を減らしていて空腹を感じやすい人は、食事の量を見直してみましょう。(※1)
ダイエット中で食事量を減らしていて空腹を感じやすい人は、食事の量を見直してみましょう。(※1)
糖質の多い食事をしている
食事はしっかり摂れているのにすぐお腹がすいてしまうという人は、食事のバランスが乱れているかもしれません。特に、ごはんやパンなど糖質の多いものをたくさん摂っている場合は、空腹を感じやすくなります。
糖質の多いものを食べると、血糖値が急上昇するため、血糖値を下げるインスリンというホルモンが大量に分泌されます。上がった血糖値が一気に下がると、また空腹を感じるようになってしまうのです。(※2)
糖質の多いものを食べると、血糖値が急上昇するため、血糖値を下げるインスリンというホルモンが大量に分泌されます。上がった血糖値が一気に下がると、また空腹を感じるようになってしまうのです。(※2)
甘いものを食べ過ぎている
糖質を多く含む甘いものを食べ過ぎている場合、糖質中心の食事と同じく血糖値の急上昇、急降下が起こりやすくなります。特に空腹時は注意が必要。糖分を多く摂り込もうと、血糖値が上がりやすくなります。
そのあと急激に血糖値が下がると、体の防衛反応により何か食べて血糖値を上げようと、また空腹をおぼえるといった悪循環につながるおそれが。甘いものを食べ過ぎていないか振り返ってみましょう。(※2,3)
そのあと急激に血糖値が下がると、体の防衛反応により何か食べて血糖値を上げようと、また空腹をおぼえるといった悪循環につながるおそれが。甘いものを食べ過ぎていないか振り返ってみましょう。(※2,3)
たんぱく質が不足している
たんぱく質には、腹持ちを良くする作用が確認されています。ダイエットや減量中で低カロリーな食事を意識していると、たんぱく質が不足しがちに。
たんぱく質をしっかり摂ることで、満腹感を得られやすくなるホルモンが分泌されます。毎食たんぱく質を含む食品を取り入れるようにしましょう。(※4,5,6)
たんぱく質をしっかり摂ることで、満腹感を得られやすくなるホルモンが分泌されます。毎食たんぱく質を含む食品を取り入れるようにしましょう。(※4,5,6)
食物繊維が不足している
頻繁にお腹が空くのは、食物繊維が足りていない場合も考えられます。すぐにお腹が空くほかに、お腹に不快感があったり、ガスがたまりやすかったりする症状があると、食物繊維が足りていないというサインかもしれません。
野菜や果物の摂取量が少ない方は、意識して摂るようにしましょう。(※7)
野菜や果物の摂取量が少ない方は、意識して摂るようにしましょう。(※7)
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れにより、「偽の空腹感」をおぼえるおそれがあります。血糖値の急上昇、急降下が起こり、食欲の調整をおこなうホルモンのバランスが崩れてしまうことによって、食べたあとすぐに空腹を感じる場合が。
また、女性の場合は排卵後にプロゲステロンというホルモンの分泌が増えることから、食欲のコントロールがしにくくなります。(※8,9)
また、女性の場合は排卵後にプロゲステロンというホルモンの分泌が増えることから、食欲のコントロールがしにくくなります。(※8,9)
ストレスや睡眠不足
ストレスや睡眠不足によって、空腹感を感じやすくなることがあります。ストレスを受け続けるとコルチゾールというストレスホルモンが過剰分泌し、血糖値が上昇。インスリンの過剰な分泌と血糖値の急降下を招くため、ストレスが空腹感の原因になる場合も考えられます。
また、睡眠中には通常、食欲を抑えるホルモンが分泌されますが、十分に睡眠がとれていないと、それらの分泌が減少し、空腹をおぼえやすくなるといわれていますよ。(※8)
また、睡眠中には通常、食欲を抑えるホルモンが分泌されますが、十分に睡眠がとれていないと、それらの分泌が減少し、空腹をおぼえやすくなるといわれていますよ。(※8)
感情的摂食(=エモーショナルイーティング)
食べても満足感が得られない、むちゃ食いしてしまうといった状況がみられる場合は、「エモーショナルイーティング」の可能性が。
エモーショナルイーティングの場合は、ストレスや不安から逃れて一時的に対処するために、食べるという行動を起こします。ストレスを感じているときに食べてもすぐお腹が空く、落ち着かないという方は、まずは根本的な原因であるストレスをうまく発散することが重要です。(※10)
エモーショナルイーティングの場合は、ストレスや不安から逃れて一時的に対処するために、食べるという行動を起こします。ストレスを感じているときに食べてもすぐお腹が空く、落ち着かないという方は、まずは根本的な原因であるストレスをうまく発散することが重要です。(※10)
【対策】お腹が空きにくい食べ方のコツ
ポイント
一日3食、バランスの良い食事を心がける
よく噛んでゆっくり食べる
上手に間食を摂る
食物繊維を意識して摂る
一日3食、バランスの良い食事を心がける
血糖値を安定させて健康的に過ごすためには、栄養バランスの良い食事を一日3食摂ることを心がけましょう。バランスの良い食事とは、主食、主菜、副菜、汁物をそろえた定食スタイルの食事です。毎食全種類そろえられないという方は、主食だけで済ませない、ということを意識しましょう。
また、朝食を抜いたり、食事の間隔があき過ぎたりすると血糖値の変動が不安定になり、血糖値の乱高下を招くおそれがあります。(※3,8,11)
また、朝食を抜いたり、食事の間隔があき過ぎたりすると血糖値の変動が不安定になり、血糖値の乱高下を招くおそれがあります。(※3,8,11)
よく噛んでゆっくり食べる
よく噛んで食べると、満腹中枢が刺激されやすくなります。噛むことを意識するだけなのですぐに実践できますよ。ほかにも、レプチンというホルモンの分泌を高め、食欲を抑えるのにも役立ちます。
満腹感を感じるまでは、15~20分かかるといわれているため、少なくとも15分以上かけて食事するようにしてみましょう。(※12)
満腹感を感じるまでは、15~20分かかるといわれているため、少なくとも15分以上かけて食事するようにしてみましょう。(※12)
上手に間食を摂る
適度な間食は、空腹を感じにくくするのに役立ちます。間食といっても、糖質主体の甘いものではなく、満腹感が持続しやすい食物繊維やたんぱく質が豊富な食品がおすすめです。
間食は、脂肪が蓄積しづらい午後2~3時ごろに摂るようにしましょう。食事と食事の間に間食を挟むことで、血糖値の安定にもつながりますよ。(※3,5,8)
間食は、脂肪が蓄積しづらい午後2~3時ごろに摂るようにしましょう。食事と食事の間に間食を挟むことで、血糖値の安定にもつながりますよ。(※3,5,8)
食物繊維を意識して摂る
食物繊維の不足は、すぐに空腹を感じることにつながってしまいます。血糖値が急上昇、急降下すると空腹をおぼえるため、血糖値を急激に上げないことが大切。
食物繊維は血糖値の上昇をゆるやかにする作用があるため、食事や間食に積極的に取り入れたい栄養素です。(※3,8)
食物繊維は血糖値の上昇をゆるやかにする作用があるため、食事や間食に積極的に取り入れたい栄養素です。(※3,8)
お腹が空きやすい食べ物一覧
食べ物一覧
白米や食パンなど、精製された炭水化物
スナック菓子やファストフード
菓子パンや甘いお菓子
甘いジュース
白米や食パンなど、精製された炭水化物
精製された白米やパンなどの炭水化物は、血糖値を上げやすい高GIの食品です。急激に血糖値が上がると血糖値の急降下が起こるため、お腹が空いたと感じてしまいます。
野菜やきのこなど食物繊維が豊富なものを先に食べてから、白米やパンなどはあとに食べるようにするのがおすすめです。(※8,13)
野菜やきのこなど食物繊維が豊富なものを先に食べてから、白米やパンなどはあとに食べるようにするのがおすすめです。(※8,13)
スナック菓子やファストフード
食事の栄養バランスが偏っていると、血糖値のコントロールしづらくなります。スナック菓子やファストフードは、糖質や脂質が多く、たんぱく質や食物繊維は少ないです。
特に空腹時に糖質の多いものを食べると血糖値が急上昇しやすいので、先に野菜のおかずから食べるよう心がけましょう。(※3,8,14)
特に空腹時に糖質の多いものを食べると血糖値が急上昇しやすいので、先に野菜のおかずから食べるよう心がけましょう。(※3,8,14)
菓子パンや甘いお菓子
菓子パンや甘いお菓子は糖質主体で、あんぱんやメロンパンなどは100gあたり50gほどの糖質が含まれています。糖質が多く、血糖値を急激に上げやすいので注意が必要。
血糖値の急激な上昇、降下をくり返していると、食べてもすぐお腹が空きやすくなるだけでなく、食欲を抑えられなくなることも。また、糖質を摂り過ぎると脂肪として蓄積するといったデメリットがあります。菓子パンや甘いお菓子を食べる習慣のある方は量や頻度に気をつけましょう。(※2,3,15)
血糖値の急激な上昇、降下をくり返していると、食べてもすぐお腹が空きやすくなるだけでなく、食欲を抑えられなくなることも。また、糖質を摂り過ぎると脂肪として蓄積するといったデメリットがあります。菓子パンや甘いお菓子を食べる習慣のある方は量や頻度に気をつけましょう。(※2,3,15)
甘い飲み物
甘い清涼飲料水や加糖のコーヒー、紅茶には、思っている以上に糖質が含まれています。例えばスポーツドリンク(500ml)には、角砂糖5~8個分相当が、コーラやサイダーなどの炭酸飲料(500ml)には角砂糖10個分以上、缶コーヒー(190ml)には角砂糖1~3個分相当が含まれています。
飲み物の糖質は消化吸収が速いため、血糖値が急上昇しやすいです。甘い飲み物を摂ることが習慣化している方は、飲む量や種類を見直してみましょう。(※16,17)
飲み物の糖質は消化吸収が速いため、血糖値が急上昇しやすいです。甘い飲み物を摂ることが習慣化している方は、飲む量や種類を見直してみましょう。(※16,17)
腹持ちの良い食べ物一覧
食べ物一覧
玄米や全粒粉パンなど、精製されていない炭水化物
食物繊維が多いもの
たんぱく質が豊富なもの(肉・魚・卵・大豆製品など)
良質な油を含むもの
玄米や全粒粉パンなど、精製されていない炭水化物
すぐにお腹が空きやすい人は、主食の炭水化物の種類を変えてみるのはいかがでしょうか。白米なら玄米や押し麦を混ぜたごはん、食パンなら全粒粉パンを選ぶのがおすすめ。精製されていないものはGI値が低く、血糖値を上げにくい食品です。(※8,13)
食物繊維が多いもの
食物繊維が多いものと一緒に摂ることで、GI値が高い食べ物を摂っても血糖値の上昇を抑えられることが期待できます。特に、水溶性食物繊維は糖を吸収しにくくするはたらきにより、血糖値の上昇をゆるやかにする特徴があります。野菜や海藻類、きのこ類など食物繊維が多いものを意識して摂るようにすると、満腹感が持続しやすくなりますよ。(※8,13)
たんぱく質が豊富なもの(肉・魚・卵・大豆製品など)
前述したように、たんぱく質が豊富なものを摂ると、食欲を抑えるコレシストキニンというホルモンが分泌されます。満腹感が得られやすくなるほか、たんぱく質を含むものは腹持ちが良くなるため、空腹対策に役立ちますよ。肉や魚、卵、大豆製品などをバランス良く取り入れましょう。(※4,5)
良質な油を含むもの
油は消化吸収がゆっくりなため、満腹感が持続しやすくなります。そのため、適度に油を摂ることが大切です。
肉やバターやラードなど、常温で固まる「飽和脂肪酸」は、摂り過ぎると脂肪として蓄えられます。一方「不飽和脂肪酸」のなかでも特に青魚の油やアマニ油などに含まれるオメガ3は、健康維持に役立つため意識して摂りたい油です。(※8,18,19)
肉やバターやラードなど、常温で固まる「飽和脂肪酸」は、摂り過ぎると脂肪として蓄えられます。一方「不飽和脂肪酸」のなかでも特に青魚の油やアマニ油などに含まれるオメガ3は、健康維持に役立つため意識して摂りたい油です。(※8,18,19)
食べても食べてもお腹が空く原因はさまざま
食べてもすぐに空腹を感じるのは、さまざまな原因が考えられます。自分の食生活や、睡眠、ストレスなどの生活習慣を振り返って、思い当たる部分は対策しましょう。
食べてもすぐにお腹が空くのは、血糖値の急上昇と急降下が関わっていると考えられます。食べるものの選び方や食べ方に注意してみてくださいね。
食べてもすぐにお腹が空くのは、血糖値の急上昇と急降下が関わっていると考えられます。食べるものの選び方や食べ方に注意してみてくださいね。
【参考文献】
※15 八訂食品成分表2021|女子栄養大学出版部
(2023/05/26参照)