PGI
PGIイリア、PGIアハイア
テイスティング
左からPGIスロープ・オブ・エギアリア(マラグジア100%)、PGIアハイア(シデリティス100%)、PDOパトラ(ロディティス100%)、PGIアハイア(ロディティス100%)、PGIイリア(アシルティコ100%)
左からPGIアハイア(マヴロ・カラヴリティーノ100%)、PGIアハイア(マヴロダフニ100%)、PGIイリア(レフォスコ85%、マヴロダフニ15%)、PDOマヴロダフニ・オブ・パトラ(マヴロダフニ70%、ブラックコリンス30%)、PDOマスカット・オブ・パトラ(マスカット100%)
3番目と4番目にブラインド・テイスティングしたのは、どちらもロディティス100パーセントのワイン。ピンク色の果皮を持つロディティスは、ギリシャで2番目に栽培されている品種だ。アハイアでは総栽培面積の60パーセント、イリアでは約35パーセントを占める。
井黒氏によると「控えめな品種」で、収量の多い地域ではニュートラルになりやすい。収量の少ない高地(1050メートルまで)や古木から採れたブドウから造られるワインは、ミネラルや柑橘類の果実味、高い酸が豊かに感じられるエネルギッシュなキャラクターとなる。
3番目のワイン(PDOパトラ)
土壌:粘土石灰質 標高:740メートル 樹齢:38年
ピンクグレープフルーツ、ルバーブの香り。高い標高から来る生き生きとした酸があり、アフターにはグリ系ブドウらしい苦味が感じられる。PDOパトラでは、ロディティスのみ使用が認められている。
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4番目のワイン(PGIアハイア)
土壌:ローム 標高:100メートル 樹齢:12~25年
「塩味を伴う酸が感じられることから、海の近くで栽培されたと推測できる」と井黒氏。酸は厳しくなく、3番目に比べよりリッチな味わい。
平地がある一方、めまぐるしく景観の変わる山岳地帯も持つ西ギリシャでは、同じ品種からもそれぞれに個性の感じられるワインが造られているとあらためて実感した。
また、どのワインも比較的穏やかな味わいで、非常にフードフレンドリーな印象を受けた。
「海外帰りの生産者が多く、今後さらに発展していく産地」と井黒氏が語るように、これからの西ギリシャの動きに注目していきたい。