僕の担当した連ドラでも、一般的にはクランクインの段階で半分くらいの台本ができていて、あとは撮影をしながら順次作っていくことが多かったです。実際の撮影やお芝居を見ながら内容を作って行くというような。それも連ドラの醍醐味(だいごみ)ではあるのですが、今回は2月には最終回まで全ての台本が出来上がっているという形でした。
・キャストの変更により内容の変更はあったか
若村麻由美さんに主演を引き受けていただけることになって、ご本人とお会いしていろいろお話をしまして、主婦と大女優という二役を演じていただくにあたって多少セリフの言い回しや語尾などを変更して、脚本を書き直して新しい決定台本を作りました。物語全体については全く変わっていません。
・“なりすまし”、“一人二役”という今作の軸を成立させるために主演に求めていたこと
この役は、“平凡な主婦”と“大女優”という2役だけではなく、“主婦がなりすました女優”という中間の一面もあり、とても多彩な表現が求められます。若村さんとご一緒させていただくのは今回が初めてなのですが、さまざまな作品を拝見していて、役柄ごとに見事に違いを演じ分けて表現されているので、この難しいキャラクターも面白く見せてくださると確信しています。
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・今作の魅力、物語に込めた思い
今作は荒唐無稽なコメディーなのですが、主人公が異世界に飛び込んでしまって、純粋な目線だからこそ見えるその異世界の奇妙なことに気づき、それを“世直ししていく”という物語でもあります。これは、私たちの生きる社会の中のどこにでもあるような問題についても同じで、目を背けずに無関心にならずに、純粋な目線で見て、自分のできる範囲でできることから直していこうよというメッセージになればと思っています。
・多彩なキャストに期待すること
最初に企画があって、それにもっともふさわしいと思う方々をキャスティングさせていただき、その後にさらにキャラクター造形が“当て書き”という形になるように脚本を修正していきました。これから発表させていただくキャストも含めて異次元の豪華さとなっていて、演技のぶつかり合いが楽しみです。それぞれの俳優の個性がいきる、“どのシーンを切り取っても面白い組み合わせ”のキャスティングになっていると思います。
(文=リアルサウンド編集部)