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「JR東海」人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボが大人気 担当者が語る成功の秘訣は、”地元”との緊密さ

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――先ほどのお話にもありましたが、こうした企画がはじまったのはコロナ禍も影響しているとのことですが、実際に私の周りでもしばらく旅行に出かけていないという人がたくさんいます。

出川:長引くコロナ禍で旅に出るきっかけを見つけづらくなった、という声はお客さまからも寄せられていました。そこで、我々が旅の目的となるコンテンツを作って発信し、旅のきっかけづくりをお手伝いできればというのが企画の趣旨です。

――その一環で『ラブライブ!サンシャイン!!』の企画を立ち上げるに至ったわけですか。

出川:『ラブライブ!サンシャイン!!』はご存じの通り、沼津でも知名度が非常に高く、じつは制作側からも以前から何かできないかという打診はあったんですよ。そんなとき、私が「推し旅」の企画に関わることになったタイミングで『ラブライブ!スーパースター!!』のアニメを見始めていて、その流れで『ラブライブ!サンシャイン!!』も見てしまい、ハマってしまったのです。

――出川さんがアニメにハマったことがきっかけにあったんですね。

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出川:作品には熱いテーマがあり、青春も描かれています。見ていると勇気を貰えるアニメですから、企画をしたら面白いと思いました。それに『ラブライブ!』シリーズの舞台の多くは東京に集中していますが、『ラブライブ!サンシャイン!!』は弊社の駅がある沼津がメインですから、いろいろな仕掛けが存分にできると考えたのです。

■地元との連携と協力が成功の要因

――企画を立ち上げるにあたって、苦労した点はありますか。

出川:『ラブライブ!サンシャイン!!』は息の長い作品ですし、沼津も聖地として今なお多くのファンが訪れています。私たちがアニメ終了後に関わるからには、やはり中途半端なことはできないと思いました。沼津駅長とも会って、駅構内の装飾の話をしたところ、駅長も沼津をもりあげたいと言ってアニメを見て勉強してくれたんですよ。

――それは素晴らしい!

出川:沼津駅の社員からも、ここに装飾できるんじゃないかと提案してもらいました。現場の社員が盛りあげようと思って取り組んでくれたのも良かったですね。

――駅のみなさんが協力的だったからこそ、あの濃密な装飾が実現したわけですね。実際に沼津駅に行ってみましたが、ポップがあったり、ポスターがあったり、徹底していて凄いですね。

出川:なかでも跨線橋の装飾はインパクトが大きかったですよね。歩いても、歩いても、キャラに会えると言うんでしょうか。弊社の駅でこんなにアニメのキャラをたくさん見ることは、なかなかありませんよね。私は週一で沼津駅まで視察に行くのですが、いつ行っても写真を撮っているファンの方に出会うんですよ。ファンの方に喜んでいただけて、本当に嬉しく思います。

――沼津を訪れたファンを歓迎するセリフを、Aqoursのメンバーが一人一人違う言葉で話しているのもいいですよね。

出川:広告代理店の社員とセリフを考えて、バンダイナムコさんにしっかり監修していただきました。例えば、「こういった言葉は、ルビィちゃんは言わない」とか、キャラに合ったセリフになるようにしました。

――キービジュアルも話題になりました。こだわったポイントはありますか。

出川:やはり、Aqoursのメンバーが弊社の制服を着ている点ですね。腕のワッペンを見てください。乗務員鞄を持っているメンバーは、車掌や乗務員を表すトレインクルーの表示になっていたり、細部までこだわっています。制服や帽子のマークなどは細かいパーツの写真を送って、綿密に描いていただきました。

■沼津を散策できる魅惑の企画

――そして、沼津を周遊できるコースが設定されています。これは駅周辺だけにとどまらず、広範囲にわたっています。地元のお店と連携している素晴らしい企画だと思います。

出川:すでに沼津を何度も訪れて精通されているファンの方は多いと思いますが、一方で、コロナ禍でしばらく疎遠になっていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方にも、改めて沼津の面白さや楽しさを知っていただきたいと思い、スタンプラリーの企画などを作りました。沼津はご飯が美味しいですし、風景も素晴らしく、何度も訪れたくなる魅力がたくさんありますからね。

――沼津は聖地があちこちにありますし、一日では周りきれないくらい魅力がありますよね。実施してから反響はどうでしょうか。

出川:キービジュアルを公開したときにも手ごたえがあり嬉しかったですが、実際に沼津を訪れたみなさんにSNSで話題にしていただけて、企画者冥利につきます。ファンのみなさんに喜んでいただけたのが、なによりも嬉しいです。

――地元の方々の反響はいかがでしょうか。

出川:沼津のみなさんも、ファンの方々が来てくださって喜んでおられます。『ラブライブ!サンシャイン!!』が沼津に根付いているので、地元のみなさんも本当に協力的なんですよ。いろんな周遊企画もつくりやすいのです。

――そして、JR東海さんへの期待も大きいですよね。

出川:ありがたいことに、弊社に対しての期待も高まっていると肌で感じています。沼津駅の社員からも、次はこんな企画をやりたいという提案があがっています。社内の雰囲気も、この企画を機に変わってきていると感じています。

■地元ならではの視点で企画を作る

――そういえば、JR東海のウォーキングイベント「さわやかウォーキング」で、なんと沼津駅を出発して『ラブライブ!サンシャイン!!』の聖地を巡るという、今までになかった企画が立ち上がっています。6月18日に実施されますね。

出川:さわやかウォーキングはまさに、沼津駅の社員から発案があった企画なのです。こちらとしてはウェルカムだったので、盛り上がるようにと企画をすすめました。ちなみに、さわやかウォーキングって、駅員など、現地を知っている社員が中心になって企画を考えるんですよ。地元ならではの視点で沿線の魅力を広めたいという思いがあります。

――なるほど。あまり観光情報誌に載らない社寺仏閣とか、結構マニアックな目的地が多いのはそのためなんですね。

出川:さわやかウォーキングは家族で参加している人もいますし、実は年齢層が幅広いのですが、『ラブライブ!サンシャイン!!』の企画は、もっとさわやかウォーキングを知ってもらうきっかけになればと思います。

――今後、アニメの企画だけでなく、様々な「推し旅」の企画を考えておられると思いますが、どんなコンセプトで取り組んでいきたいと思っていますか。

出川:推しがおられる方は、熱量をお持ちだと思うんです。アニメはもちろんですが、「そうだ京都、いこう。」のような社寺仏閣や仏像の企画でも、熱心なファンの方に届く企画を作っていきたいと思っています。そのためにはファンの声に耳を傾け、今まで以上に地元の方々と連携を深めていきたいと考えています。

――ありがとうございました。最後に、出川さんが好きな『ラブライブ!サンシャイン!!』の「推し」を教えてください。

出川:私は基本的に箱推しですが、強いて言うなら曜ちゃんですね。曜ちゃんは水泳を凄く頑張っているなかで、千歌ちゃんに誘われてスクールアイドルをやることを決めました。部活動の掛け持ちって本当に大変だと思うんですよ。曜ちゃんの頑張っている姿に、私も引きこまれてしまいます。

文=山内貴範

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