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「現代にはない“不完全さ”が魅力」 昭和に夢中になるZ世代 “むしろ新しい”の原理とは?

ABEMA TIMES

 これまで、SNSでネオ昭和を発信してきた阪田さん。彼女が昭和に惹かれたのは、中学2年生のころ。祖母の家に置いてあったレコードプレーヤーがきっかけだったそうだ。そんな阪田さんは、昭和カルチャーの魅力を「現代にはない“不完全さ”だ」と語る。

「今は音楽を聞きたいなと思えばアプリですぐに聞ける時代だが、(昔は)レコードからドーナツ盤を取り出して、それをターンテーブルに落として針を置いてやっと音楽が流れる。そういう面で音楽の一つひとつの素晴らしさというか“ありがたみ”を感じる」

 デジタルでコミュニケーションを取ることが当たり前となった現代社会だからこそ、オフラインで何かを生み出す“昭和カルチャー”には魅力と新鮮さが詰まっている。「ザ・ブラックキャンディーズ」は、2年という限られた活動期間で1人でも多くの人に昭和の魅力を発信していきたいと話した。

「今の時代はSNSが発達しすぎている。情報がたくさんある分、見えない何かがあるように感じる。それに対して昭和は、限られた情報しかないなかで得られるものがある。私よりももっと年下の世代にも『昭和にはこんないいところがあるんだよ』『心にジーンと響くところがあるんだよ』というのを知ってほしい」

 人はなぜレトロに惹かれるのだろうか。『ABEMAヒルズ』に出演した精神科医の木村好珠氏は「“懐かしいもの”で、人間は不安や孤独を和らげることができる」と述べ、次のように解説する。

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「コロナ禍で不安や孤独を感じた人は多い。“懐かしさ”という感情にはそれを和らげる作用がある。また『自我関与効果』といって、人間には自分が長く接してきたものに対して好意的な感情を抱く反応もある。レコードや聖子ちゃんカットなど、自分が体験してきたものは昭和生まれにとって“心の距離”が近いのだろう。そうした懐かしいものを改めて楽しむことで経済が回る『ノスタルジアマーケティング』というものもある。

 一方、若者にも昭和カルチャーが人気な理由だが、これは“むしろ新しい”ということではないか。映えがあるクリームソーダなどは、SNSでどうバズるかという若者心にも刺さるのではないか。また、ITで何でもできる時代になって、人の温かみに触れる機会が減った若者には、昭和カルチャーの“手作り感”が新鮮に感じられるのだろう」

(『ABEMAヒルズ』より)

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