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『らんまん』池内万作は万太郎&寿恵子の“キューピッド” 名脇役として実直な佇まい

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『らんまん』写真提供=NHK

 店先ののれんの下から革靴が見えただけで、「牧野さん!」と店を飛び出してしまうほど、和菓子屋「白梅堂」で毎日のように万太郎(神木隆之介)のことを待っている寿恵子(浜辺美波)。『らんまん』(NHK総合)でのそんな甘酸っぱい恋を静かに見守ってる人がいる。「白梅堂」の菓子職人・文太(池内万作)だ。

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 寿恵子は万太郎がくれた牡丹の花のスケッチで「冒険の旅」を始め、今、ダンスを通して新しい世界を目にしている。実は文太もこの牡丹の花に助けられた1人。新作の練り切りを考えていた文太は試作品として、ヨモギを練り込み、葉のように見せたものにあんこを包んだ和菓子を作った。味見をした寿恵子からの反応も上々で、このまま商品化してもいい出来だった。しかし、店先にいた寿恵子が持っていた牡丹の花のスケッチから何かを思いついたらしい文太は、スケッチの葉の部分を参考にして和菓子を改良。より職人技が光る、洗練された練り切りを完成させたのだ。これはツボスミレ、バイカオウレンをイメージして作られた和菓子とともに箱詰めされ、注文の品として届けられた。

 この寡黙だが、菓子作りに情熱を傾ける文太を演じているのが池内万作である。NHK連続テレビ小説に出演するのは、『どんど晴れ』(2007年度前期)以来16年ぶりで3度目となる。映画監督として数々の大ヒット作品を生み出し、俳優としても知られる伊丹十三を父に、現在放送中の『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)に出演し、第一線で活躍し続ける宮本信子を母に持つ池内。自身もイギリスで演技と作劇を学び、1994年頃から本格的に日本で俳優活動を開始すると、朝ドラだけではなく、NHK大河ドラマ『龍馬伝』(2010年)や『青天を衝け』(2021年)などに出演し、今では各作品で存在感を発揮する名脇役となっている。

 近年、池内は『危険なビーナス』(2020年/TBS系)でストーリーの途中で失踪したかと思えば最終回で突然姿を現すなど、周りを振り回した矢神家の奇人・矢神牧雄や、『ミステリと言う勿れ』(2022年/フジテレビ系)でフィクションなのか実話なのか区別のつかない話を題材にミステリー会を開催した別荘の主人・蔦薫平など、ミステリアスな役柄を演じることが多かった。『らんまん』の文太もただ黙っているだけなら少し怖そうだが、菓子の出来を褒められてはにかんだ笑顔を見せたり、「白梅堂」の女将・まつ(牧瀬里穂)からアサリ汁をおすそ分けされて恐縮したりする姿はちょっとかわいらしかった。素朴で実直な役も魅力的で惹き込まれてしまう。

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 「白梅堂」は、寿恵子、まつ、そして寿美子の叔母のみえ(宮澤エマ)の、楽しくかしましい3人でいつも賑やかだ。そんな「白梅堂」を菓子の味の面からしっかりと支えている文太。実は、万太郎が訪れた博覧会でかるやきを出したのは文太の案なのだという。文太は「駄菓子を出すなんて……」と言っていたが、それが万太郎と寿恵子を引き合わせたのだから、文太がキューピッドと言っても過言ではないのである。
(文=久保田ひかる)

 
   

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