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新主将として戦い抜いた日立ハイテクの白鞘郁里…「声だけは出そうと頑張ってきました」/WリーグPO

バスケットボールキング

「あんまりしっかりしたキャプテンではないんですけど、しっかりした人は周りにいるので、その人たちをしっかり頼って、声だけは出そうと思って頑張ってきました。みんながそれについてきてくれて、その分、全員でコミュニケーションを取れるようになり、それが今シーズンの強みだったかなと感じます」

 第24回Wリーグはプレーオフへと突入し、4月1日にはセミクォーターファイナルが行われた。その試合で、惜しくも富士通レッドウェーブに敗れた日立ハイテククーガーズ。試合後、記者会見の場で白鞘郁里は、声をつまらせながらキャプテンとして戦ったシーズンを振り返った。

 白鞘は、レギュラーシーズン26試合とセミクォーターファイナル1試合の計27試合すべてにスターターとして出場したスモールフォワード。セミクォーターファイナルでは、開始早々にスティールから速攻を決めて、チームに勢いをもたらした。

 日立ハイテクは、昨シーズンのセミクォーターファイナルも同じく富士通と対戦し、このときは第1クォーターでいきなり14点ビハインド。結局、その差を埋めることができずに敗れた。それだけに、今回の戦いでは、「昨シーズンの二の舞にならないように」(内海知秀ヘッドコーチ)と、チーム全員が同じ思いを持って試合に臨んだ。まさに白鞘のファーストシュートはその思いを率先して体現したともいえるだろう。

 この白鞘の先制点を皮切りに、序盤からリードを奪う戦いを見せた日立ハイテク。後半出だしに富士通に追いつかれたあとも、白鞘の2本の3ポイントシュートなどで再び10点近いリードを奪う展開に。だがしかし、「リードした中で自分たちが引いてしまったところがありました。ミスを連続でしてしまったし、ディフェンスでもコールミスやマッチアップのミスが何本か続いて、相手に流れを持っていかれてしまいました。そこの詰めの甘さが最後に出たと思います」と白鞘。プレーオフでは、一つのミスが命取りとなる。自ら招いてしまった失点が、大きく響いてしまった日立ハイテクは、82―91で競り負けた。

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 それでも、試合終盤、劣勢の中で同点に追いつき、延長へと持ち込んだ戦いには「まだまだチームとしての浮き沈みもありますが、最後まで粘れるようになったと思います」と内海ヘッドコーチ。白鞘も咋シーズからのチームの成長を確実に感じたようで、「インサイドとアウトサイドでしっかりと攻めるということをシーズンに入る前に決めましたが、リーグ戦を戦っていく中で、それが自分たちの武器になっていったと思います」とコメントした。

 セミクォーターファイナルでは15得点9リバウンドをマークし、アグレッシブなプレーで引っ張った白鞘。コートネームはミドルネームの“アニエス キャロリーヌ”から、『キャロ』。コート外でもSNSを通してチームの魅力を発信するキャプテンに、今や多くのWリーグファンが魅了されているが、今シーズンから加入した中野由希も、白鞘についてこのように語る。

「練習でも一番に声を出しますし、ミスしてしまったり、あまり元気がなかったりするときも、一番に声を出してくれます。キャロさんのキャラでもある明るい性格で、チームも明るくなったと思うし、キャロさんのおかげで、この一年、いいチームになったなと感じます」

「ここぞというときのシュートの決定率が富士通の方が高かったし、大事なときにミスをしないことも富士通はしっかりしていたと感じました」(白鞘)

 目標だったベスト4には届かず、試合後は白鞘の目からたくさんの涙がこぼれ落ちた。大きな収穫と課題を得た今シーズン、就任1年目のキャプテンがコート内外で見せた献身的な姿は、必ずや今後のチームのレベルアップを後押しし、来シーズン以降の飛躍へとつながっていくものとなるだろう。

取材・文=田島早苗

 
   

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