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日本ハムがエスコンFで飛躍できるか注目 新フランチャイズで成績を伸ばしたチームは?【プロ野球記録ノート】

週刊ベースボールONLINE

屋根付き球場から屋根付き球場への移転



新庄剛志監督率いる日本ハムは新球場で最下位からの逆襲を果たせるか

 いよいよペナントレースが始まるが、今季は日本ハムの本拠地・エスコンフィールドHOKKAIDO(以下、エスコンF)の開場により、日本ハム対楽天が3月30日、ほかの10球団は31日の開幕となる。

 エスコンFは開閉式屋根付き球場だが、屋根付き球場から屋根付き球場への移転は、やはり日本ハムが東京ドームから札幌ドームに移って以来2例目だ。

 本拠地の移転はそうそうあるものではないが、日本初の屋根付き球場の東京ドームが開場した88年からの移転は次のとおり(オリックスと近鉄の合併時の変更は含まず)。

◎1988年
 巨人 後楽園→東京ドーム
 日本ハム 後楽園→東京ドーム

◎1989年
 ダイエー(球団譲渡) 大阪→平和台

◎1991年
 オリックス 西宮→GS神戸(ほっともっと)

◎1992年
 ロッテ 川崎→千葉マリン(ZOZOマリン)

◎1993年
 ダイエー 平和台→福岡ドーム(PayPayドーム)

◎1997年
 中日 ナゴヤ→ナゴヤドーム(バンテリンドーム)
 近鉄 藤井寺→大阪ドーム(京セラドーム)

◎2004年
 日本ハム 東京ドーム→札幌ドーム

◎2009年
 広島 広島市民→マツダスタジアム広島

勝利がアップしたのは3球団


 移転直前と移転直後の球場での勝敗は次のとおり(カッコ内は前年と当年のシーズン成績)。

 1988年 巨人(76勝43敗11分/1位→68勝59敗3分/2位)
      後楽園 36勝17敗5分→東京D 34勝21敗1分

 1988年 日本ハム(63勝60敗7分/3位→62勝65敗3分/3位)
      後楽園 28勝23敗3分→東京D 25勝30敗

 1989年 ダイエー(58勝71敗1分/5位→59勝64敗7分/4位)
      大阪 27勝31敗→平和台 19勝28敗5分

 1991年 オリックス(69勝57敗4分/2位→64勝63敗3分/3位)
      西宮 26勝20敗2分→GS神戸 26勝27敗3分

 1992年 ロッテ(48勝77敗5分/6位→54勝74敗2分/6位)
      川崎 24勝25敗3分→千葉マリン 29勝25敗1分

 1993年 ダイエー(57勝72敗1分/4位→45勝80敗5分/6位)
      平和台 26勝30敗→福岡D 19勝37敗4分

 1997年 中日(72勝58敗/2位→59勝76敗/6位)
      ナゴヤ 34勝25敗→ナゴヤD 26勝37敗1分

 1997年 近鉄(62勝67敗1分/4位→68勝63敗4分/3位)
      藤井寺 25勝23敗→大阪D 30勝27敗2分

 2004年 日本ハム(62勝74敗4分/4位→66勝65敗2分3/3位)
      東京D 29勝28敗2分→札幌D 27勝22敗1分

 2009年 広島(69勝70敗5分/4位→65勝75敗4分/5位)
      広島市民 35勝28敗3分→マツダ 29勝37敗1分

 延べ10球団中、勝率がアップしたのは3球団しかないのだが、88年の巨人は前年リーグ制覇を果たし後楽園では驚異の勝率.679。東京ドームでも下げたとは言っても.619だったので新球場が合わなかったわけではない。同年は日本ハムも東京ドームとなったが、こちらはやや勝率は下がっている。

 特に大きく勝率を下げたのが、1989、93年のダイエー、1997年の中日、2009年の広島の4球団。ダイエーは球場が代わっただけではなく、フランチャイズ自体が大阪から福岡になった。南海時代の最後は大阪球場で勝率.465と健闘したが、平和台に移ってからは勝率.404と大幅に勝率は下がった。ところが本拠地以外では勝率.437→.526と大きく上げ、終盤、近鉄、オリックス、西武の三つ巴の優勝争いになったが、その中でダイエー戦はキーポイントとなった。ダイエーは1993年にも平和台か福岡ドームに移転しているが、広いドーム球場に苦戦し、前年の平和台の勝率.464から.339と大幅に成績を落としている。


97年に開場したナゴヤドーム。中日は本拠地での勝率が前年から大きく下がった

 ナゴヤ球場を本拠地としていた中日は、同球場の狭さもあり「強竜打線」と言われるほど打線は良かった。ところが広いナゴヤドームにまったく対応できなかった。前年のナゴヤでの勝率.576だったが、ナゴヤドームでは.413と大きく落とした。本拠地以外の勝率は.535→.458と下げてはいるが、本拠地ほどの下がり幅はなかった。2009年の広島も同じことが言える。前年の本拠地の勝率.556から.439と大きく落ち、逆に本拠地以外は.447から.486と若干勝率は上がった。1992年のロッテは2年ともに最下位だったが、本拠地の勝率は.490→.537と勝ち越し、移転の効果をもたらした。

札幌ドームでは大きく勝ち越し


 日本ハムは本拠地の勝率.509から.551と率を上げている。北海道初のプロ野球チームということもあり観客増などプラスになる要素が多く勝率アップにつながっていた。以後、19シーズンの札幌ドームでの通算成績は599勝467敗40分、勝率.562と大きく勝ち越していた(2003年以前は3勝9敗2分)。年度別では16シーズンで勝ち越している。年度別勝率順は、

 1位 2009年 勝率.678(優勝)
 2位 2016年 勝率.672(優勝)
 3位 2006年 勝率.632(優勝)
 4位 2012年 勝率.615(優勝)
 5位 2014年 勝率.603(3位)
 6位 2015年 勝率.593(2位)
 7位 2007年 勝率.582(優勝)
 7位 2019年 勝率.582(5位)

で、6割以上は5度もマークしている。

 負け越したのは2013年(.446)6位、2021年(.417)5位、2022年(.484)6位の3度だけだった。

 勝率1位の2009年はダルビッシュ有、2位の2016年は大谷翔平と、奇しくも今回のWBC出場組の2人がリーグMVPに輝いている。

 新球場で迎える今シーズン。過去のデータを見ると、新しい環境にはなかなかフィットしない球団が多いが、日本ハムはどんな野球を見せてくれるのか注目だ。

文=永山智浩 写真=BBM
 
   

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