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唐田えりか、活動休止期間を経て辿り着いた現在地 「変わったことを見せないといけない」

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ーー完成した作品をご覧になって、唐田さんご自身はどのように感じられましたか?

唐田:私は自分の作品をまだ客観的に観られないところがあるんですけど、この作品は「智徳(遠藤雄弥)ひどいよなぁ……」と思って(笑)。まぁ、里美も里美なんですけど……。でもそこが面白いなと思いました。

ーー智徳みたいな男性はどうですか?

唐田:たぶん好みじゃないかもしれないです……。すみません(笑)。

――いや、大抵の方がそうだと思います(笑)。映画の出演自体も久しぶりでしたが、やはりこの作品にかける思いも大きかったのではないでしょうか。

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唐田:長編の映画でお芝居をすること自体が2~3年ぶりだったので、本当に今までの思いが溢れてきました。事務所の方や家族など、大切な人たちに、お芝居を通して恩返しがしたいという思いがあるので、いただいたお仕事を一つ一つ大切にやっていきたいですし、この仕事も丁寧にやりたいという気持ちで挑みました。

■生きていく上で重要だと気づいた「人と人とのつながり」

――お休みされていた期間は何かお芝居に関わることをされていたんですか?

唐田:小説をたくさん読んで、それを自分でプロットに起こしてまとめてみたり、毎日映画を観て、その作品は何を伝えたいのかを考えたり、自分なりに感想を書いてみたり……。あと、お芝居している様子を自分で撮って、事務所の社長やマネージャーさんに送って、見てもらったりもしていました。そのときに経験したことや自分の感情も、いまの私自身にすごくつながっているなと思います。

ーー休止期間の前後で、唐田さん自身の中で何か変化したことはありますか?

唐田:前までは、“唐田えりか”という殻の中にいたと思うんですけど、いまはそれがなくなった気がします。自分の殻を破っていかなきゃいけなくなったというか、「破り続けなきゃ」という意思が自分の中に確実に生まれました。自分の可能性を広げなければいけないし、これからのお仕事一つひとつでもっと見せていかなければいけないと。もちろん、以前も一つひとつ大切にしていたんですが、やっぱり状況的にも以前とは違いますし、変わったことをちゃんと見せないといけないなと強く思います。

――以前、『寝ても覚めても』の公開タイミングでインタビューさせていただいたときに、演技について「本当に楽しいと思えているわけではない」と発言されていたのがものすごく印象に残っています。

唐田:そうですね……好きだからやっているわけではあるんですけど、でもまだ楽しいとまでは思えていないです。もちろん好きではあるんですけど、好きだからこそわからないというか。もっと突き詰めたいですし、たぶん“好き”という中でもがいているような気がします。

ーーお芝居をやり続ける原動力はどこにあるんでしょうか?

唐田:やっぱり、映画が好きというのが大きいと思います。ただ、幼い頃から映画を観てはいたものの、実はその頃は女優になりたいと思ったことは一度もなかったので、自分でも不思議な感覚です。なんでこうなったんだろう……と(笑)。

ーー最初はモデルとしてキャリアをスタートさせていますもんね。

唐田:そうですね。でもお芝居を通して、役から学ぶこともあるし、救われることもあるし、自分が成長させられることもある。お芝居をすることで、自分自身が形成されていくというか、自分が自分でいられる感覚があるんです。“原動力”という意味では、“表現を通して自分でいられる”ということが、大きいかもしれないです。あとはやはり、休止している間、社長やマネージャーさんを含め、事務所の方々が常に一緒にいて、たくさんコミュニケーションを取ってくださっていたんです。私にとってはそれがものすごく大きくて。生きていく上で重要なのは、人と人とのつながりなんだなと強く思いました。自分1人では生きていけないけれど、1人で立てるようにならないといけないなと。休止期間は、私自身が今後どうやって生きていけばいいのか、ということまで教わった時間だったなと思います。

――周りの方々の支えがあったからこそ、辞めずに続けられた部分もあったんですね。

唐田:すごく大きいですね。事務所の方がいなかったら、絶対にいまこの場にいられなかったと思います。いまは作品を通して、事務所の方や周りの方々に楽しみを届けたいという思いでいっぱいです。(取材・分=宮川翔)

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