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新日本プロレスVS全日本プロレス「仁義なき」50年闘争史【29】アンドレ×ハンセン「伝説の田園コロシアム大会」

アサ芸Biz

 ハンセンがアンドレの223センチ、270キロの巨体を一本背負い、ボディスラムで叩きつけると、超満員の観客のボルテージは最高潮に。結果こそ両者リングアウト、直後の再戦はハンセンの反則勝ちという灰色決着だったが、ド迫力の攻防に大観衆は酔った。

「あの試合は私も興奮を抑えられなかったよ。新日本と猪木が私を売り出してくれたことには感謝しているが、本当の意味でファンに認めてもらったのはアンドレとの試合だったと思う。あの大きなアンドレから逃げることなく正面からぶつかっていったことで、ファンがまた違った目で私を見てくれるようになった気がする。アンドレはスマートな頭脳の持ち主で、猪木とばかり戦っていても限界があることをわかっていた。〝日本のファンはスタンをライバルにすることを認めてくれている〟と理解してくれて、いい試合をしてくれた」(ハンセンの述懐)

 そしてメインは「IWGPアジア地区予選リーグ」として、猪木が全日本から引き抜いたタイガー戸口と一騎打ちを行い、延髄斬りから卍固めで快勝。

 試合前には8月に崩壊した国際プロレス残党(のちのはぐれ国際軍団)のラッシャー木村、アニマル浜口がリングに上がり、10月8日の蔵前における新日本との対抗戦に向けて猪木に宣戦布告。だが、木村の「こんばんは。‥‥あのですね、10月8日の試合は国際プロレスの名誉にかけても必ず勝ってみせます」という朴訥とした挨拶は新日本ファンの失笑を買ってしまった。有名な〝こんばんは事件〟である。それが後年になって、木村のマイクパフォーマンスにつながるのだから人生はわからない。

 興行的にも内容的にも伝説の大会となった田園コロシアム。新間寿取締役営業本部長は「プロレスブーム? 冗談じゃない。新日本プロレスブームですよ」と胸を張った。

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小佐野景浩(おさの・かげひろ)元「週刊ゴング編集長」として数多くの団体・選手を取材・執筆。テレビなどコメンテーターとしても活躍。著書に「プロレス秘史」(徳間書店)がある。

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