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ニッポンの土地「誰のものだったのか」大研究(1)「大化の改新」で土地が国有化〈原始~飛鳥時代〉

アサ芸Biz

 その背景には、朝鮮半島の任那などを基地に朝鮮にも権益を保持していた朝廷だったが、618年に唐が建国され、朝鮮半島にも進出してくるかもしれない脅威があった。また東国以北の蝦夷と呼ばれた地域の住民らを排除して、急ぎ中央集権的な国づくりが必要になったことも挙げられる。

 蘇我入鹿は朝廷の財産を管理する立場にあり、最大の土地と財産を保有していたことから、土地と財産の私的所有を禁じ、公地公民を進める上で最大の障害になっていた。こうした理由で暗殺されたと、大村氏は分析する。

 また、大化の改新で行われた〝税制改革〟については、大村氏はこのように評価した。

大化の改新で制定された班田収受法では、農民に田圃を貸し与えて、そこから租・庸・調という税を集めることが大きな目的でした。租は基本的にはその土地で収穫できる米の3%程度なので、それほど重くない税でした。それ以前の豪族支配の時の農民たちの中には、農奴に近いような人もいたのではないかと考えられます。それに比べ一定の条件を満たしていれば土地を与えられ、一定の労働条件で働くことになって農民は楽になったと思います。さらに租として集められた米は朝廷にも送られましたが、そのほとんどは国衙という地方の役所に『賑給』として貧困者や高齢者に配るために保管されていて、社会保障制度の役割も果たしていました。古代のシステムとしては、意外によくできた税制だったと言えるのではないか」


河合敦(かわい・あつし)65年、東京都生まれ。多摩大学客員教授。歴史家として数多くの著作を刊行。テレビ出演も多数。最新刊に「徳川家康と9つの危機」(PHP新書)。

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武光誠(たけみつ・まこと)50年、山口県生まれ。東京大学大学院国史学科博士課程修了。文学博士。専攻は日本古代史、歴史哲学。「荘園から読み解く中世という時代」(KAWADE夢新書)など、刊行書籍340冊以上。

大村大次郎(おおむら・おおじろう) 国税庁調査官を退職後、フリーライターに。「お金の流れで読む日本の歴史」(KADOKAWA)「『土地と財産』で読み解く日本史」(PHP研究所)など著書多数。

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