そんな柏木に対して、舞は自分を見失っていなかった。中間審査まであと5フライトに迫ったある日、舞は雷雲の発生を予想し、訓練の中止を主張。その意見には水島も同調だ。だが柏木は海沿いなら雷雲を避けて飛べると主張。それぞれの意見を聞いた大河内教官(吉川晃司)は、舞の判断を支持して訓練中止を言い渡したのだった。
ここで注目すべきは柏木と舞が対立したことよりも、舞が自分の判断を信じていたことではないだろうか。
「柏木との急接近がありながらも、舞は何の影響も受けず、自分を見失っていませんでした。これまで舞の恋模様が描かれたことはないものの、男性社会のなかで自分を見失わずに平常心を保てるタイプであることは、人力飛行機サークルでの活動からも明らか。それに対して柏木はどうやら女性への免疫がないようで、恋の初心者さながらの動揺が表に出てしまっていたようです」(テレビ誌ライター)
そういった男女の違いは、受験を控えた高校生に例えられがち。好きな女子のことを意識しすぎて勉強がおろそかになる男子と、恋と勉強をしっかりと切り分けて集中できる女子という対比は、もはや古典的な描写だろう。
中間審査まであと5フライトに迫ったいま、果たして柏木は自分を取り戻せるのか。舞との恋物語も気になるなか、優秀だったはずの柏木がここでフェイル(退学)してしまうのではないか。そんな心配を抱く視聴者も少なくなさそうだ。
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