7日目。目が覚め、着替えだけして、捕獲器を仕掛けている3軒隣りの空き家に行ってみる。塀のドアを開けて庭に入ったのだが、変わった様子はない。今日もダメか。クールボーイは戻ってこない。諦めムード濃厚だ。家に戻って「やっぱりダメだね」と言うと、連れ合いのゆっちゃんも溜め息をついた。
遅い朝食後、11時になっていた。2階で机に向かっている時だった。ついさっきから遠くで変な物音がしている。なんだろう。それからハッとして勘が働いた。
「あれ、もしかしてクールがかかった音じゃない?」
ギャギャ、ガシャン、ギャーと凄まじい音が遠くで響いている。
「何?どうかした?」
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ゆっちゃんはまだ、気が付いていないようだ。
「遠くから凄い音が聞こえてくる。ほら!」
1階にいるゆっちゃんに向かって叫ぶと同時に、玄関に駆け出していた。
「クーだと思う!」
サンダルを履き、空き家まで走った。庭の塀の扉を一気に開ける。ウウウーと唸っている。急いで近づき、恐怖心に駆られながら被せていたバスタオルを勢いよくはがした。クールではなく、獰猛な動物かもしれない…。