2018年、2作品の監督を務めた黒沢清氏が、本誌に2大女優の魅力を語っている。その素顔は今期、彼女たちが演じる役柄とは真逆のものだった。
『エルピス』では強さを見せる長澤だが、黒沢監督は、現場の長澤に「煮えきらなさ」を感じたとして「監督としてお願いや指示をしたときに、素直に『はい』と言ってくれない感じがあるんです(笑)。『あ、はい……』みたいな。指摘したら、『私、そうなんですよ。なんかはっきりしないみたいで……』と、自分でも言っていました。でも、いざお芝居すると、まったく迷いがないのがすごいところですね」と語っている。
かたや、『silent』で手話や表情による繊細な感情を表現した夏帆について、黒沢監督は「竹を割ったような性格で、本当にはっきりした女優さんでした。サバサバしていて、仕事もやりやすかったですね。僕は本当に大好きな女優さんで、これは褒めているんですけど、色気がないというと何ですが、男に媚びるようなところがまったくない女優でした。ほかの作品を拝見すると、色っぽい演技を披露している作品もあるので、ああ、監督の要求によってどうにでも変化できる方なんだな、と納得しましたが」と絶賛している。
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それぞれの素顔は真逆でも、違和感がないほどの熱演を見せている。さすがは、名監督もほれ込む大女優だ。