田中被告の供述が変わったことにより、失態の疑惑を着させられた愛知県警。だが弁護士の若狭勝氏によれば、こうした家宅捜索での「押収漏れ」は珍しいことではないという。
「今回の件は、いわゆる『ガサ漏れ』と呼ばれる案件。目立つような場所にあるものを押収し損ねたら問題ですが、隠しておいたものまで完璧に押収するのは難しいことです。今回は、有名人の薬物使用という注目を浴びる事件だったので、目立ってしまったのでしょう」
むしろ若狭氏は、田中被告が供述を変えたことについて、減刑を狙っての可能性を指摘する。
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「検察サイドが『どこから入手したのか』を立証するのは至難の業なので、『密売人から買った』と述べようが、『自宅に残っていた』と述べようが、どちらかと断定することは難しい、と弁護側は判断したのではないでしょうか。だとすれば、密売人から買うよりも、自宅に残っていたものを使用したとしたほうが、情状面での印象は多少はよくなりますから」
もしそうだとしたら、田中被告の“悪あがき”に警察が巻き込まれてしまったということか……。